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好きなもの守りたい(A×T♀)


不注意だったとは思うが普通はこんな事態になるなんて想像もしないだろう。




ティエリアは放課後、美化委員の仕事の為に校庭の裏のひっそりとした花壇のある所へ来ていた。用事を終わらせさっさと帰ろと来た道を引き返そうとした時だった。



「ティエリア・アーデさん」


呼ばれて振り返ると見るからに素行の悪そうな男がいた。あまり見たことのない顔だから多分自分より上級生だろう。


「何か?」


男は距離を縮めて来た。

「ティエリアってさアレルヤ・ハプティズムと付き合ってんの?」


付き合っている事は事実で隠していたわけではないけれど他人にそうはっきり言われると口ごもるものだ。


「いや…」

「まあどっちでも良いけど」

言いかけた言葉を遮られて嫌悪感を抱く。
なんなんだこの男は。


「用がないのなら帰る」

きっと今頃アレルヤは忠犬のように自分を待っているだろうから。


いきなり帰ろうとするティエリアに上級生であろう男は慌ててティエリアの腕を掴み取った。


「待てよ」


驚いて反射的に掴まれた相手の手を振り離そうとしたが、思っていた以上に相手の力は強くそれは失敗に終わった。


「離せっ」

「離したら帰るだろ…それ、本末転倒」


意味の分からないことばかりいう目の前の男を睨みつけたけれどそいつは楽しそうなに笑っているだけだ。


僅かに沈黙になりその間も自分の腕をがっちりと捉えた手から逃げようとしたが振り払うには及ばない。


「君のこと好きみたいなんだ、アレルヤなんか止めて俺にしない?」


やっと口を開いたかと思えばなんだそれは。


聴いた言葉に呆れつつも冷静に対応した。


「ありえないな」

「即答かよ」


男は体育館倉庫の裏の方にティエリアを寄せて壁に押し付けた。


「まあそう睨むなって」

男はティエリアの肩を壁に押し付けながら首筋に噛み付くように口付けた。


「なっ、離せっ」


「なあ…アレルヤのどこが良いんだよ、絶対俺の方がかっこいいし優しくするのに…」



(アレルヤより優しい?ありえない…)


「止めろっ…離せ!」


多分、心の中で思ったことが顔に出てしまった。向こうもそれに気づいたのだろう。


「大丈夫、あいつよりも絶対優しくするから」


そう言って男は自分のネクタイを緩めたら私のワイシャツのボタンを何個か外してきた。


「ぃ、嫌だっ……」



(嫌だ、アレルヤっ…)

助けて欲しいと、とっさに頭にアレルヤがよぎった。いつもはしつこいくらいに付いて来るのにこういう時に限っていないなんて、本当に間の悪い男だ。



何度も逃れようと男の腕の中でもがいた。


「ったく、もーちょい大人しくしてろよ」



男ははだけさせたワイシャツから手を入れ胸を掴んできた。


「いっ、…止めろっ…」


「ティエリアっ」


男の手がティエリアの太股に触れた時だった。


(アレルヤ…)


「なんだよ…いいとこだったのに…」



アレルヤは血相を変えて走ってきた。


「…アレルヤっ…」


アレルヤが来ると男はティエリアを拘束していた手をすんなり離した。


「じゃあな、ティエリア」


「ちょっと!!待ってよっ」


男はアレルヤの制止の声を聴くこともなく、そそくさと帰って行った。




「…ティエリアっ…」


アレルヤは地面に座りこんでいるティエリアを優しく抱き締めた。



「…ごめんね、遅くなって…何か、された…?」


「大丈夫だ…」


ティエリアのはだけたワイシャツを見て何をされたのだろうかと想像するだけで怒りが沸いてきた。


「…アレルヤ、大丈夫だ…ちょっと触られた、だけだから…それ以外は何もされてないから…」


「全然大丈夫じゃないよっ!」


「アレルヤ…」


「怖かったでしょ?」


「君がすぐに来てくれたから大丈夫だ……」



僕はぎゅっと腕にしがみつくティエリアを見て、たまらなく愛しさを感じた。





2008.04.27





だらだら書いた割にまとまらなかったです。
すいません…。



あきゅろす。
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