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「君の優しさは時として、深く心に残酷なほど突き刺さる」/リチャアス
「大丈夫、だからっ…もう、」
俺の声がまるで聞こえていないみたいに、お前は腕を離してくれない。
(もう…)
いい、から…
「リチャード…っ聞いて、るのか、」
「聞こえてるけど、聞いてない」
何だよ、それ…
(何で…)
どうしてお前は“そう”なんだ?
「我慢しなくていいんだよ」
“そんな”言葉をかけないでくれ。
(じゃないと…)
「我慢、なんか…っ」
「してる。辛いのは君だよ?」
(違うよ、リチャード)
辛いのはお前じゃないか。
「アスベル。何でも言ってよ」
だったら“そんな”微笑みを向けないで。
「僕が望みを叶えてあげる」
今の俺には、相応しくない。
今の俺には“それ”が辛い。
君の優しさは時として、
深く心に残酷なほど突き刺さる
─だから放っておいて欲しい。
(偽りの望みは叶えてあげない)
(それは君の本心じゃない)
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