『子供』セイロン×ライ セイロンはミルリーフに甘い。 そりゃ、御使いなんだし当然だとは思うけど、オレが納得いかないのは、 「いや、我は御子殿に甘い訳ではない。子供に甘いのだ。子供を見守ってやらねば、そう思わぬか?」 なんて言うこと。 …だったら、オレにも甘い顔を見せてくれてもいい気がする。 普段、童とか言ってくるし。 そりゃ、子供扱いは嫌だけど…でも、なんて言うか…ずるい。 見て欲しいんだ。 ミルリーフだけじゃなくて、もっと、オレのこと。 セイロンが見てくれるなら、オレ、子供でもいい。 「…セイロン」 「どうした、店主?」 「子供扱いして」 「…本当にどうしたのだ?子供扱いされるのは嫌いではなかったか?」 「…子供は見守らなきゃいけないんだろ?だったら、オレのこと、ちゃんと見ろよ」 「店主…」 セイロンが顔を伏せる。 …どうしよう。困ってる、のかな。 「どうしてお主はそう…」 「え?」 目が合った。そう思った瞬間には、セイロンの柔らかい唇がオレの唇と重なっていた。 そのまま舌が絡んできて、思わず目を瞑る。 「…子供扱いをしてもよいが、子供はこういうことをせぬぞ?それだと、我は困るのだが?」 唇が触れるほど近くで囁かれて、なんだか頭がぼーっとしてくる。 恥ずかしいとか、そんなことを考える余裕もなくて、ただ喜びだけがこみ上げた。 「…じゃあ、子供扱い、しないで…」 「承知した」 もう1度唇が重なって、オレはセイロンの胸の中にいた。 そして、ようやく理解する。 セイロンに見てもらうには、オレが早く大人になればいいんだって。 …セイロンが、見とれてしまうような、そんな大人に。 「…セイロン。オレ、がんばる。がんばって、セイロンに釣り合うような大人になる」 「本当にお主は…」 (お主が可愛くてたまらぬよ、店主。それこそ、目が離せぬほど…な) -END- [*前へ][次へ#] |