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若者たち
10
『俺が欲しいのは・・・・・・っ!』

俺が欲しいのは、泉水だよ。・・・うん、泉水だ。反応とか面白いし…ほら、全然懐いてくれないニャンコとかってなんとか振り向かせようって頑張っちゃうじゃん?そんな感じ・・・だと思う。まー懐いてくれない原因が原因なだけにかなり難関だろーけどさぁ。狭山クンなわけないじゃんかー…あの人ちょー恐いんだもん。泉水ってばほんとバカ。

でも、言えなかった。いつもの調子で泉水だよ〜って言えばよかったのに、なんでか分かんないけど言えなかった。なんか…頭グラグラしてきて、胸ん奥ギューッてなって、言っちゃダメだって思った。
ってか狭山クン泉水をひとりじめしすぎじゃね?お泊りとかどんだけぇー・・・はぁ…泉水今頃何やってんだろ・・・・・・俺は今からナニしようとしてますが。


「けーすけぇ?どしたん?」

「んーん。なんでもないよーおいで」

ニッコリ笑って手を広げてあげると、頬を染めて俺の腕の中へ飛び込んでくる可愛いオンナノコ。

あの後フラフラ街を歩いてたら、偶然知り合いの女の子に声をかけられ、今暇なのー?じゃー遊ぼぉよ、なんなら家くる?って流れで今この状況。

「恵介さー今カノジョいないんだってぇ?あたしも今フリーなんだー・・・どぉ?」

「んー?んーん。今は彼女作らないキャンペーン中だからさ。ゴメンね〜」

「フフッそんなんあるんだ。じゃぁキャンペーン期間終了したら考えてね?」

クスクス笑いながら首に腕をからませておっぱい当ててきた。あ、チューされてるわぁ…なんだかんだで久々かも・・・・・・・だが、しかし。俺の偉大な息子様が元気になってくれない。ちょっと・・・・俺まだ十代なんだけど?やっべー―…最近全然だったから感覚にぶってる??いかんいかん…せっかく可愛い娘なのに…集中しなければ・・・・・・


重なった唇が開かれ、舌を滑り込ませる。ぅあーグロスぬりすぎ…ベトベトするしまずいんだけど。
泉水のは下唇がちょっとぽってりしてて、こんなんしなくてもプルンプルンしてるよなぁ…

首筋に顔を埋めてみる。甘ったるい香水のにおい・・・髪の毛もパーマかけすぎ…痛んでるよ、ちょっとチクチクするんだけど。
あー…泉水っていっつもふわふわした匂いただよわせてんだよねー…泉水自身の匂い?と、石鹸の香りが混じっててクセになる感じがなんか好き。髪もサラサラだし…もーちょっと伸ばしてもいいと思うなー…

太ももに手をすべらせてみる。あ、ちょっとザラッとした…完璧にお手入れしてよねー。
つーか泉水って毛ぇはえてなくね?この前体育で短パン姿見たけど足ツルッツルだったんですけど。無駄に白いし・・・さすが帰宅部。

下着を外し、胸の突起に口をつける。「あぁっ・・・」と眉間にしわを寄せて甲高い声をあげる。まだそんな刺激してないっしょー演技くせぇー。
泉水だったら・・・・・・・・・・・・・・・・・・お、元気になってきた。これならいけそーだな。よし!久々に頑張っちゃおー!!






ゾワァァッッッ!!!!
いきなり物凄い悪寒が背筋に走った。コントローラーを思わず離し、隣でマンガを読む次郎の服をギュゥッと掴む。

「じ・・・・じろー!!この部屋なんかいる!!今、すっげーゾワッてした!!」

「はぁ?・・・・・あー…そーいや、俺が住む前にここに住んでた女の人、失恋を苦に自殺しただとかなんだとか…」

マジかよ・・・しれっと言うことかよそれ。俺そっち系ほんと無理なんだよ!?青ざめる俺の顔を見てにやりと笑いやがる。

「う・・・嘘だよなっ!?そんな話お前今までしなかったじゃん!!頼む!嘘だと言ってくれ!!」

必死の俺の頼みも、完璧無視・・・マンガを閉じて、のそのそとベッドへ上がり布団へ潜り込んだ。

「さぁな・・・俺は寝る」

「ちょっとちょっとじろーちゃん!!まだまだ夜はこれからっしょっ!?俺を一人置いてさっさと寝るとかひどくないっ!?」

「うるせーなぁ…俺はお前がぐーすか寝てる間に華麗なプレイを繰り出しまくってたんだよ。しかも帰ってちまちまギョーザまで作ってやったんだぞ・・・そんな俺様の眠りを止める権利がお前にはあんのか?あるなら言ってみろ」

・・・・・・・なんも言えねぇ。でも俺、全然眠くないんだけど…てゆーか眠れないんですけど。

「じろーちゃぁん・・・」

最終手段、甘える。

「・・・オヤスミ。お前は朝までマリオとヨロシクやってろ」

撃沈・・・・・しばらくすると、次郎の寝息が聞こえてきて本気で泣きたくなった。
シーツを頭からかぶり顔と手だけを出してゲーム画面へと体を戻す・・・何も気にするんじゃないぞ、俺!たまに小さく聞こえる物音にビクつきながら俺は朝までマリオとヨロシクやりました。



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あきゅろす。
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