ターコ。それは兄
それから何も考えることなくぼーっとしていたら空には幾つもの星が瞬いていた
気分はずっしり重くとも腹は減るもんだ。
のろのろ歩いて家に帰ればご飯出来てる、とタイミング良く2階から降りてきた兄に言われた。
デートか?いや、ありえねぇな。とでかい声で言うコイツにはこんなんだからなかなか彼女できないだろうなと思いながら一発くらわせた。
手洗いうがいを済ませてダイニングに行けば母さんじゃなくてアイツが皿を食卓にコトっと置いた。
「なんだよ、その顔。俺だってこれぐらいはする」
「いや、母さんは?」
「親父と友達の家」
「ふ〜ん」
テレビの電源を押し、リモコンのボタンでカチカチ画面を替える。
「あ、ストップ」
「やだ」
私は人気上昇中の俳優が出ているドラマで画面を替えるのを止めた。
それなのに兄貴はリモコンを私から奪ってチャンネルを替える。
……アニメなんて自分の部屋で見てよ。
「なー名前。…お前最近悩み多いんじゃね?」
「そんなことない」
兄貴が温めてくれたスープに箸をつけながら言う。
…ん、ぬるい。
「だってお前、眉間にシワ寄ってる」
苦笑しながら言う兄貴は、じつはかっこいいんじゃないかと思いながらもリモコンを奪ってやった。
「話しなら俺がいつでも聞いてやるよ。そんなだけどお前は俺の可愛い妹だからな」
私の頭をぽんぽんとすると兄貴は風呂へ向かった
ターコ。それは兄
(………なんか優しい。)
((ブラコンになりそう))
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