ターコ。それは先生
「ま!適当に座れ」
見つかったのがオレでよかったな?
笑いながら言ったカカシ先生は担当する教科の準備室まで私を引っ張ってきた。
「先生、いいの?」
「ん?」
「普通は教室行けって言うもんでしょ」
「え、オレ普通じゃない?」
「………もういいよ」
ふざけたカカシ先生が若干うざくなり置いてあるソファーに背を預けた。
コーヒーの匂いが漂ってきた時、カカシ先生が口を開いた。
「名前、遠慮しなくていいんじゃないか?」
「…なにが」
「あの子に遠慮してるんだろ」
「……」
「オレは自分の好きなようにするべきだと思うけどな。そんな悩み、お前らぐらいの時しかできない」
「せん、せ」
カカシ先生はコーヒーを片手に、プリントと赤ペンをもう片方の手に持つと隣へ座った。
机にコーヒーを置いてプリントを広げると赤ペンのキャップを開けた。
「名前の気持ちも分からんことはないが、だ……。はっきりさせないと後悔するのは自分だ。もし、諦めるなら告白ぐらいしといた方がいいよ?」
「先生なんでそこまで言うの……?」
「だって最近名前、オレの授業まともに聞いてないしテストの点も下がった。イルカ先生に聞けば他の教科も下がったって言ってたからね。テスト勉強、いつもシカマルに教えてもらってたんでしょ?」
首を傾げて聞いたカカシ先生に小さく頷いた。
先生の言う通り、テストの点は下がったし授業に集中出来てない。
テストの前はいつもシカマルと勉強会を開いた。
シカマルはいつもオレは勉強しなくても余裕で出来るからお前を見てやるって言ってくれていつも私に付き合ってくれた。
前のテストの時はそれがなくて、勉強しようとしても足りないものが気になって手に着かなかった。
「あ、名前これお前の課題だから」
「は?」
「いや〜、今まで忘れてた。一度ノートでやった問題ばっかだから出来るはず!」
「いや、私ナルトやキバみたいに赤点じゃないし!」
「あー名前は単位いらないんだな。…進級出来なくてもいいの?」
「ひどいよ、カカシ先生……」
「教師なんてそんなもんだって。解けなかったら聞きに来ればいーよ」
コーヒーを手に取った先生はプリントに提出期限を書いて私に渡した。
私はそのプリントをパラパラめくった。
一番最後の問題、見たことないけど……。
「せんせー。最後の問題見たことない」
「あーそれ?オレオリジナル」
「今教えてください」
「だーめ」
「何で?今教えてくれたら…」
「他にも解けないところあるかもでしょ。それにもうすぐ授業終わる。さ、サボり魔はさっさと教室行きなさい」
サボり魔じゃない!と言うと前の早退した時に電話出たのオレだよ?と笑われた。
ムッとなりながらも失礼しましたとドアノブに手を掛けた時に頭に先生の手が乗った。
「自分の気持ち、正直に言ったら楽になる。難しく考えなくていい。思ったままに言えばいい」
頑張れよ、名前。
カカシ先生の言葉に涙が出そうになった。
聞こえるか聞こえないがぐらいの声で、ありがとうと言った。
先生は小さくああと言ってドアを開けて私の背中を押した。
部屋を出たと同時にチャイムが鳴って校舎には椅子を引きずる音が響いた。
ターコ。それは先生
(ちょっと名前、おそいじゃない!)
(おはよう、いの。いや、ちょっとね)
(数学のプリント…?)
(さっきカカシ先生に渡された)
(あの変態教師のとこにいたわけ?!)
(変態て……酷くないすか?)
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