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ターコ。それは伝聞




「早退するなんて思わなかった」

「自分がびっくり」

「あんたが早退なんてするから私が英語あたったんだから」

「あ、今日あたる日だった。らっきー」




はいはいと言いながらいのは私の部屋に入りベッドに座った。




「ほら、あんたも座りなさいよ」

「うん」




自分の隣をポンポン叩くいのの言うとおりに座った。




「私もね、ほんとに驚いたの。あんたが泣くのわかる。頑張ろうって言ったばかりだもんね」




そう言うといのは形の良い眉毛を下げた。


むかつくよね、アイツ。一発殴ってやらないと気が済まない。


ぎゅっと手を握るいのは泣きそうな顔だった。


いつもいのを泣かせちゃうね。


でもさ、いの?


恋愛するのは自由でしょ?


誰が誰を好きにならないといけないなんてことは絶対にないんだから。




「でもアイツはっ……!!」

「いの?」

「…なんでもないわ」

「そう?」

「ねぇ、学校、くるよね?」

「行きたくないんだけどね。いの寂しいでしょ?」

「当たり前」

「じゃあ行く」




私のために?いののために!


二人で笑いあって、今日の帰るまでの出来事を全ていのに話した。


サイもやるわねなんて言いながら可笑しそうにいのは笑っていた。




「あ、そうだ」




体の向きを私に向けたいのにどことなく緊張した。




「ナルトやキバがいくら聞いてもアイツは何も言わなかったみたいだからチョウジに聞いたんだけどね」

「なにを」




言わなくてもわかることなのに聞いてしまうのは習性というものだろうか。




「彼女ってやつよ。チョウジが言うには、昨日二人でゲーセン行ったんだって。で、その帰りにアイツが告白されたらしいわ。人目があったのにも関わらず顔を真っ赤にして好きだって言うその子は男からすれば可愛すぎたんだって。まぁチョウジが言う可愛いのアレは知らないけどね。驚くのはアイツの方よ」



「考える様子もなく返事したんだっ!て、チョウジはそう言ってた」




チョウジは嘘のつけないやつだからデマはないと思う。


いのはずっと私の横でありえないと繰り返していた。


何がありえないのかと聞けば




「シカマルよ!私これでも一応幼なじみなんだから何でも知ってるつもりなのよ」




絶対おかしいわ。そう言ったいのは一人、あーでもないこーでもないと言い始めて




「もうヤダ!頭痛くなる、帰るわ。電話してきていいからね?」




おじゃましました、と帰ってしまった。


私、いののせいでモヤモヤが残ったんだけど。






ターコ。それは伝聞
(どこの誰……そんな積極的な女は)











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あきゅろす。
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