ターコ。それは女の子
あの後、再び泣いてしまった私にサイはごめんね、意地悪し過ぎたね。と言って保健室を出て行った。
保健医に体調が悪いようなら早退してもいいと言われ、教室に行く気も起きなかったため帰ると言った。
保健医は笑って帰ったら目を冷やせと言った。
やっぱり腫れてるよね、目開かないし…。
イルカ先生が来て明日のことを聞かされた。
とは言ってもいつもと変わらない。
「名前の家は共働きだったよな?お兄さんは?」
「親もいないし兄貴も仕事。よって家には誰もいない」
「なんだ?お前元気じゃないか」
「心はガラスだ。もうボロボロです」
「まぁーあれだ。無理はするな」
「ありがとうございます」
「ナルトがまたやらかしてこれから片付けないといけないんだ。送り届けてやれないが…気をつけて帰るんだぞ?家に着いたら連絡しろよ」
保健医にお礼を言い、イルカ先生に背中を押されとぼとぼと歩いた。
職員室前で先生と別れまたとぼとぼ歩く。
ほんと、失恋したぐらいでなに早退までしてるんだろ、私。
また兄貴に何か言われる、きっと。
あと少しで下足だって所で階段から降りて来た子とぶつかった。
「いったーい」
「うわっ…!!」
目がぱっちりとして睫毛もクルンと長くて、髪なんかもふわふわして茶色くて手足も長くて細い。
ぶつかったのは人形みたいなモデルみたいな、きれいな子だった。
履いているシューズはオレンジで私達の一個下の学年だと分かった。
彼女より先に立ち上がって手を差し出した。
「ごめんね、大丈夫?ケガしてない?」
「あ、はい。大丈夫です。」
「私が顔上げずに歩いてたから…ほんとごめんね?」
「いえ、わたしの方こそ走ってたので。すみませんでした」
茶色のふわふわした髪が頭を下げた彼女の動きと共に動いた。
立ってみれば私より低い身長にさらに可愛いと思った。
彼女の足元に転がった筆箱に気が付いて拾い上げた。
「授業大丈夫?」
「あっ!!…先輩は?」
「私は早退。早く行った方が良くない?あと5分もないよ?」
どうかしたのかチラチラと私の目を見る彼女は私に小動物を連想させた。
「あの、メアド交換しませんか?」
お詫びしたいので…。控え目に聞いてきた彼女に笑いながら全然問題ないよと答えた。
嬉しそうに笑った彼女は筆箱からメモ用紙を取り出し、メアドと番号を書きそれを私に渡した。
「メール待ってますね。失礼します」
そう言って彼女は走って行った。
メアドは彼女に似合って1oveと入っていた。
ターコ。それは女の子
(あ、名前聞いてないや)
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