ターコ。それは放課後-2-
いのはストローから口を離した後、またお菓子を一枚口に運んだ。
で、どうすんの?と聞いてきたいのにあ、と思い出した。
「何?なにかあるの?大体アンタはアイツか好きなんでしょ?」
「……うん。でもね、いの。私さシカマルに嘘ついたんだ」
「どんな?」
「いのに言ってなかったんだけどね。シカマルに、サイが好きだって言った」
「はぁ?!それいつの話よ!!」
椅子から立ち上がったいのは一歩ずいっと前に出た。
「えっと……いのが公園でシカマルの名前叫んだ時のこと。あの後二人で話したんだけど、その時にそう言っちゃったっていうね」
「バカねあんたも」
「…そうだね」
「笑えないわ」
「ホント」
もー、っと言ったいのは座わり、何か考え事をしているみたいで机に肘をついて手におでこを乗せた。
「……あのさ、いの」
「なーに」
「私サイの告白をうけるつもり、ないよ」
「え、そうなの?」
「矛盾してるかもしれないけどね。嘘つきだなんて思われたくない」
「そんなの誰だってそうよ」
「そっか。なんかさー、上手いこと行かないよね」
サイに告白されたということは近い内に広がるだろう。
そうなればシカマルの耳にも入るだろうし私がそれに返事をすれば、そのことも伝わるだろう。
となればシカマルには嘘つきだと思われる。
……いや、実際嘘をついたのだけれど。
かと言ってその嘘を真実にするためにサイと付き合うことは出来ない。
そんなのサイに失礼だ。
いのに思ってることをすべて言うとよくわかると言って泣き出した。
「何でいのが泣くの?」
「あんたの代わりよ!」
「ありがとう、いの」
「私は名前の見方だからっ。一緒にがんばろうね」
涙の止まらないいのは素敵な女の子で、とても良い友達を持ったと思った。
ターコ。それは放課後-2-
(いつまで泣いてくれるの?)
(あと少し。ちょっと待って…)
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