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◇夜空に謳う◇



朝早くに目が覚めて、二度寝する気にもなれず散歩でもすっかな…と寮の部屋を出てすぐだった。

目覚めは悪ぃ。朝一番に美波のクソムカつく面拝む。

って…どんだけ運が悪いんだよ俺は。


「…神夜の事を嗅ぎ回るのは、よせ」

「あぁ?ンでテメェに言われなきゃなんねーんだ」


コイツは、俺よりも佐野の事を知っている。

そう考えたら無性に腹が立った。


「…侑李に聴かなかったのか。
それが彼奴の…神夜の一番嫌う事だと」

「……」



─『…何も聞かん事。連絡先を聞かん事。とにかく、姫さんのプライベートは絶対に触れたらアカン』─


不意に侑李の言葉を思い出した。

けど、そんな事守ってたら俺は彼奴に一生近付けねぇ。



─俺はもう決めたんだ。


「俺は……。、俺は俺のやりたいようにやるだけだ。

俺にはお前等の守ってるタブーっつの?そんなもん関係ねぇ」


やっと見つけたんだ。

もう見失わない。


だから──。


「…テメェ」


低く唸るような声色に美波の怒りが伝わる。


「お前が踏み込んで良い領域じゃねぇんだよ。
何も知らねぇ癖に神夜に近付くな…ッ」




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あきゅろす。
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