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◇夜空に謳う◇



なんの事だと首を捻れば侑李は呆れたように肩を落とした。


「あんなぁ…俺お前ボコったろ思た言うたやろ。
あそこに居った奴等、お前が現れた時全員俺と同じ事思てたんやで?」


軽く20人は居た事を思い出したが、何人かを除けば(美波とか)後は大したことない。
…侑李は分かんねーけど、美波までとはいかないが多分強い。
彼奴の強さは桁外れだからな。


「…で、なんで止めたんだよ」


ふぅ…と大袈裟な溜め息を洩られ、ムッとした。

「…揺れたんや」

「は?」

「…姫さんな、誰に何言われても誰と話しても、絶対に顔色変えんのや。─…夏樹さん以外には」

─また『夏樹』かよ。


「お前には分からんかったと思うけど、俺等はずっと姫さんを見てきたんや。好きな子の表情が変わったんやで?例えそれが一瞬でも俺にはわかる。
他の奴らも多分俺と同じ考えやと思うわ。
事実誰もお前に絡まんかったやろ?」


確かにあの場所に居た奴等は俺の登場と同時に射抜かんばかりの視線を投げかけた。

なのに誰一人喧嘩を売る様な真似はしなかったな。


そう言う訳だったのか。





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