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◇夜空に謳う◇


「ん…今帰ってるトコ」

『気を付けないといけないよ?神楽は可愛いからね』

「子供扱いしないでよ。それに、俺可愛くないからっ」

クスクスと聴こえた声に拗ねたように返す。


通話を終え少しだけ歩く速度を速めて、歩き慣れた夜道を進む。
アナタが居るあの暖かい場所へ。

無意識に歩く速度が速まる。




大切な大切な世界に一人だけの貴方。


俺の足は貴方のもとに向かうために付いてる。


俺の腕は貴方に触れる為だけに生えてる


俺の目は貴方を映す為だけに見えてる。


耳も、口も、貴方の声を聞いて応える為だけにある。


この躯も何もかも、


アノヒトの為だけに『存在』してる。



だから、アノヒト以外はいらない。

アノヒト以外、『俺』を知ってる人間はいらない。


お父さんと貴方だけが…世界で二人だけが…俺を認めてくれたんだ。



アノヒト以外はただの喋る人形。




俺にはアノヒトだけ居ればいい…。




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あきゅろす。
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