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◇夜空に謳う◇
side:K
◇side:K◇




「う…そ、だろ」



目の前に現れた奴は動揺の余り目が泳いでいた。



「、佐野、っ…なのか…?」



「……」



困惑し視線をそらしたアイツは、本当に俺を苛めていた奴等のリーダーだったのだろうか?



──嵯峨 時雨。
小6から中3まで俺を苛めてた奴。

でも、ここは知らない振り…。


「…誰…?」

「…っ!」


弾かれた様に顔を上げた彼奴と視線が絡むと、悲痛に顔を歪め再び視線を逸らした。


どうしてそんな顔するのか、どうしてコイツが此処にやってきたのかは分からない。

けど、此処に…俺を尋ねて来る奴等の理由はたった一つ。


「…。何か、用?


…それとも、


俺を買ってくれるの?」


態と挑発するように言い放つ。


目を見開いたまま立ち尽くす嵯峨が何だかおかしくて、小さく失笑した。

「悪いけど、今夜の相手はもう決まってるから…また今度ね」



そう言えば悲愴を含んだ嵯峨の瞳が大きく見開かれた。


「……行こう、陸」


隣に立っていた男の腕を引いてその場を去ろうと嵯峨の脇を通り抜ける。

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あきゅろす。
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