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◆月の籠◆



「…それでは、お休みなさいませ」



満剣が部屋を出ていくと、静寂に包まれる。


ふと昼間透夜に貰った小瓶を思い出し、雛は奥に置いてある机に向かった。


机に備え付けられた引き出しを静かに引くと、カタン…と小さな音が静かな部屋に響き渡る。





「……馬鹿、だよ…。お前等は…」



引き出しの中一杯には、今まで透夜達がくれた物が所狭しと並んでいた。


どれもこれも綺麗な箱や小瓶…。
中身は飴だったり、クッキーだったり。
甘い物が好きだと零したその日から、毎日のように渡される物たち。


今日貰った小瓶の中には色とりどりの金平糖。


純粋に綺麗だと思う。





雛はそれらを大切にしていた。


自分の宝のように…。






『雛、綺麗』






「俺は…お前達が思ってるほど…綺麗じゃない……っ



寧ろ、不浄な存在だ…っ」





パタ…と床に水滴が落ちた…。





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あきゅろす。
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