[携帯モード] [URL送信]

花という名の無法地帯
例えば後悔の後にA





変わった。

準太の、
纏っていた空気が変わったんだ。


空気だけじゃない。

そう、
なんというか。


綺麗に、なった。


記憶の中の準太は、まるで真夏の陽射しのように溌剌と笑っていたのに。


俺は準太の顎に指を掛けた。
そのまま強引に上を向かせる。

少し驚いたように瞬いた準太はバツの悪そうに目を逸らして、そしてまた、なんで、と呟いた。


その切なげな表情は、
どこか鮮やかに映った。


俺の見てない間に、
変わってしまったのだろうか。

そう思うと、
どうしてか心が騒ぐ。

やり切れないような、
そんな言いようのない気持ちになる。


けれど、


「お前が心配だったからだよ」

俺は未だ考え込むように顔を歪めている準太の頬を撮むと、それを抓るようにきゅっと引っ張る。
そして、からかうように笑ってやった。


けれど、

それは離れてみなければわからなかったのかもしれない。

そう、離れて、
違う時間を過ごしてみなければ。


「…いっ…かっ、じゅしゃ…っ、い、いひゃいっす…っ」

突然のことに変な声をあげた準太が、少し涙を浮かべて俺の手の甲をぺちぺちと叩いた。
それに応じて手を離してやると、準太は少しだけ赤くなった頬をさすって拗ねたように俺を見る。


その真っ直ぐに俺を見る瞳が、
恥ずかしそうに歪んだ唇が、

どこか、懐かしい。


そして思う。

今まで気が付かなかったけど、

あの冬の夜空のような黒い瞳と、鳶色の闇より滑らかな髪の色はあの頃のままだということ。


俺は再び準太に手を伸ばした。
準太はまた何かされると思ったのだろう、一瞬、ぴくりと肩を竦ませる。

「…俺は短い方が好きだな」
「…へ…は?」

俺はその様子に小さく笑って、準太の耳の横を流れる黒髪をついと引っ張った。
準太の、予想外だと言わんばかりの間の抜けた顔がどこか可愛らしい。
準太は俺の顔と俺の指先に摘まれている自分の髪とを見比べて、数度ぱちぱちと目を瞬かせた。

「…はい、じゃあ…あの、切り…ます」

特に迷う様子もなくそう言った準太は、自分の髪を一度撫で付けて照れたように顎を引く。
そして唇をもごもごと動かして、消え入りそうな声で呟いた。

「その…心配、してくれて、ありがとうございました」


(ありがとうございました)


一瞬、息が止まった。

あの日と重なる、声。



一年前の別れの日を、
確かめることはもう出来はしないけれど。



でも目の前の準太は、確かに。

まるで皐月の木漏れ日のように、穏やかに微笑んでいた。





---------




後悔が先に立ってくれればいいのにと思うけど、やっぱりそうはいかないから。


今度は後悔しないように、
ずっと傍にいよう。


一分一秒、変わる表情、声。
それを見逃したくない聞き逃したくない。

この想いは一体どこから来るのかはわからない、けれど。



そう、強く思うから。








Fin
----------




なんだろう、これ。

ぐだぐだ感が否めない上に何だか変なような気がしてならない、どうしたら!(知らないよ

てか和さんと準さんが好きすぎて軽く死にそうです、ときめきで動悸が…!(末期

でも自家発電できないという悲しさ、ああどうしたら!(だから知らないって



感想お待ちしてます!






2008*1101 玖瑠璃

[back][next]

あきゅろす。
無料HPエムペ!