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嗚呼我が愛しの。







「や…まて、スザクっ……!このっ…!」
「ん、だめ。もう無理、我慢」

夕日がまだ沈みきっていない夕刻、こんなまだ夜とも呼べない時間帯に、この発情期の馬鹿は、抵抗する俺を無視し、力づくで抱こうとしている。
強姦、と呼べるのなら…そうかもしれない。
けれど、この打破できない状況の先を知っている俺は、抵抗しつつも受け入れる体制になっているのが悲しい。

今日のスザクは一日中どこか落ち着きがなく、ちらちらと俺に視線を浴びせていたので、そろそろ来るな、というシンパシーは学園で過ごしている内になんとなく感じてはいた。
そういうこと、は同じ思春期の男子として理解し難いわけではない。
だが、彼の発情の上下はあまりにも激しすぎて、完全にしているときの激しさはもう俺の全てを奪ってしまうかのような、そんな感じだ。

迷惑、というわけではない。
むしろあまりに必死に俺を求める姿は見ていて気分がいい。

でも、だからといって、せめて。

「駄目だと言っている……っ!!ふ、くっ……!」
「…夜まで待てないよ」

あれよあれよという間に俺は翻弄され、どこから持ってきたのかわからない潤滑油で後孔はどろどろに
解さた。
さらに、露わにされた首筋にスザクは獣のように息を荒くして噛み付いてくる。
はっ、はっ、と小刻みに熱い息を吐かれ、それが敏感な耳に当って身体が震え上がってしまう。
あまりにも性急なスザクの行動は、その馬鹿みたく強い力と相まって、俺に抵抗の余地を与えない。
首筋を這うスザクの舌に、そして宛われた熱に、嫌と言っても身体は自然に反応を示してしまう。
悔しいと思いながら、自分の浅ましい身体に舌打ちをした。

「お願い、力抜いて…一回だけだから…」
「それ、は、お前の一回だろう…!俺はもう……!」

既に後孔を解される間に一回は達している俺にとって、スザクの一回、ほど遠く感じるものはないのだ。
こいつが一回で満足するまでするとなると、体力はおろか、これから妹と共に夕食を食べるという気力さえ失ってしまうのだ。

そう、だからスザクはせめてこの屋敷に居る全ての人間(C.C.も含め、だ)が寝静まり、用事も全て片づけ、安心した上でゆっくりじっくりやって欲しいのだ。
否、やって欲しいと言っても俺は決してスザクとのこの行為を自分から求めるようなことは断じてしない。…してないない。
そう、この屋敷には自分たちだけでなく、大切な妹と、メイドと、面倒くさい女がいるのだ。
いつこの状況を見られてもおかしくないという不安定要素を抱えたままこんな行為をするなど、まっぴらご免であるのに。

「スザク……!くそっ…やめっ…!入れるな!!」
「やだ」
「子供かぁ…!」
「…子供はこんなことしないよ」
「馬鹿!そういう問題ではない……!!」

しかし、こうして問答している間にスザクは俺を脚をさらに大きく開き、その熱く猛った楔の先端を埋め込むため身体を動かした。

「………ひっ!!」
「でも今日は、駄目だ……抑えが効きそうにない……ごめんっ、ルルーシュ…でも」
「今日も、だろうが…っ!や…ぁ……っ」
「絶対…君を気持ちよくさせるから……」

だからそういう問題じゃない!!
と、ルルーシュは中途半端に埋められた快楽の所為か、がだがたと震える唇を噛みしめ、胸の内で叫んだ。

そう、問題なのは………
俺でもお前でもない。

お願いだから、夜まで待ってくれ、スザク。



シュン………

「おにいさま?」




遠くから聞こえた、愛らしい声。

熱のこもっていた身体が、一瞬にして冷え切った。
自分のでも、スザクのでもない、優しく透き通るようなこの声。
聞き覚えがないはずがない。
けれど、それを理解させないかのように、一切の思考がフリーズしていた。
ベットからでもよく見える、入り口のドアを開いたのは……

「「な、な、ナナリーっ!!!?」」

二人同時に入り口を向き、状況を理解すると、声をハモらせ、可愛い妹君の名を呼んだ。
……裏返った酷い声で。

「お兄様、スザクさん、お夕食の準備ができましたよ?」

優しい声が部屋の中を通り、ベットの上で不純性行為を繰り広げている二人に振りそそいだ。

俺はベットに大股を広げ寝そべり、スザクはその俺に覆い被さるようにして今まさにその熱を奥まで忍ばせようとしている。
今まさに真っ最中の状態。

「お兄様…、スザクさん…?どうなさったんですか…?」

ナナリーはじっと俺等を見ながら不安げに話しかける。
そこで先に俺がはっと気づき、スザクを睨み付けた。

そうだ、ナナリーには目が見えていない。
この状態が、いかに今のナナリーに見せるには酷なことであっても、ナナリーには見ることが出来ない。
だから、ここで何もないかのように普通にナナリーと会話をすれば(メイドが来ない限り)
ナナリーに悪影響は何もないはずだ。

ナナリーにこういうことは、まだ早すぎる!
気づかれないよう対処しなければ。

「っ、あ……ああ、ナナリー…ありがと……うっ!?」

だが、平然を装うことは許されなかった。何を考えているのか、スザクは中途半端に埋められ、苦しかった性器を、さらに奥へ挿入してきたのだ。
変なタイミングで裏返った声、当然ナナリーは

「お兄様?どこか痛いのですか…?」

と心配してくる。 馬鹿スザク!お前何を考えているんだ、と
入り口に向けていた顔を、覆い被さるスザクに向けた。
すると、スザクは切羽詰まった顔で俺を見詰め、人差し指を唇に当てて「しー」のポーズをとると、俺にしか聞こえない位の小声で囁いた。

「続けて」

まさか、こいつ、と、思ったときには既に遅かった。

「………ぅぁ…っ!」
「お兄様!?」

スザクは、極力ベットが軋まないよう、ゆっくりと、しかし確実に律動をし始めた。
俺は、襲ってきた快楽に声を上げようとしてしまったがどうにか小さく耐え、代わりに手元のシーツを痛いくらい握りしめた。
どんどん奥まっていくスザクの熱い性器、どことなくいつもより大きい気がするのは気のせいだろうか。いや、今はそんな事を考えている暇はない。
どうにかしてナナリーを安心させ、入り口のドアを閉めさせなければいけない。

「っ、ああ……っ、ナナリー…俺は、大丈夫だ…から、先に……つっ!」

馬鹿!この男は一体何を考えているのだ、と、最奥まで埋め込まれた性器を感じながらがたがたと震え上がる身体を抑え、スザクの髪の毛を鷲づかみにし、ぎりぎりと引っ張った。
けれどスザクはそれに対しても少し顔をしかめただけで、やんわりと俺の手を掴み、引き離すと、さっきよりさらに切羽詰まった顔で。

「ルルーシュ、息、吸って」
「は……?」

と、わけのわからない事を言い出した。
真剣なスザクの眼差しに、けれど俺はどうしようもなく、大きく深呼吸をするように息を吸い込んだ。

「お兄様?スザクさんはいらっしゃらないのですか?」

ナナリーが呼んでいる、これ以上は、と、言われたとおり息を吸いながらナナリーを見た時、急に息が止められた。

「……っぐ!!??」

スザクは俺の口を塞ぎ込み、さらに勢いづけて腰を動かした。
俺は突然の衝動に目を見開き、声を出そうとしてしまったが、その声は漏れることなくスザクの掌に吸い込まれた。
がつがつと、激しく腰が動かされる。ナナリーに見られているという羞恥と、与えられる快楽の差は激しく、俺を混乱させた。
しかし、暴走したスザクをとめようにも、この状況ではどうすることもできない。
俺は為す術もなく、ただ俺の中を往復するスザクの性器を甘く締め付けた。
確実に何回も前立腺を刺激され、急速に絶頂まで追い上げられる身体は、口を塞がれてから数秒も持たず限界を迎えた。

「ー……っ!!!ぐ……っ」
「……っ」

俺たちは互いに声もなく達した。ぴゅく、と俺は精を吐き出し、スザクのもどくどくと激しく脈打ちながら
中に精を、飛ばした。
ぐったりと身体をシーツに沈めながら俺は既に何も考えられなくなっていた。
ぼんやりと、涙でナナリーが滲んで見える。

「……あれ、ナナリー?」

と、ここでいきなり明るい声が響き渡った。
俺はびくりと身体を震わせて、スザクの方を見た。

「スザクさん?だ、大丈夫ですか…?いまそちらに…行こうと…」
「ああ、大丈夫だよ。ルルーシュさ、ちょっと今日、体育で足ひねっちゃったみたいでさ、僕が治療してたんだよ」
「は…はい……」
「気づかなくてごめんね。ちょっと部屋の奥にいて。びっくりしたでしょ?ルルーシュ痛くて歩けないみたいだからさ」
「平気ですか?お兄様…無理なさらないでくださいね?」

成る程な、そういうことだからお前は喋らなかったのか、と俺はぼんやりと今更ながらに納得をした。
あらゆる意味でスザクを睨みけると、スザクはバチンと、むかつくほど爽やかなウインクを返してきた。
その意味を理解して、俺は大きな溜息を吐いた。

「ああ、ありがとう……っ、ナナリー…いたた。俺は大丈夫だから、とりあえず先に食堂に行っててくれ。すぐ行くから、つっ……」

純粋なナナリーはそれで納得してくれたらしい。
流石、俺の可愛い妹……

「……わかりましたわ、スザクさん、お兄様をよろしくおねがいします」
「うん。わかったよナナリー」

俺は不本意だったが、精一杯の演技でスザクのウインクに答えた。
ナナリーもすぐに入り口のドアを閉めて、食堂に向かったらしい。
車いすの音が聞こえなくなると、俺はまたスザクを睨み付けた。

「お前は、なんという事を……」

既にスザクを責め立てる気力も、夕食を食べる気力もないな、とさらに大きく俺は溜息を吐いた。

「だって、ルルーシュが」
「何?」

スザクは口を窄ませながら言い訳するように言った。

「ナナリーに見られながら、後ろ、すごく締め付けるから」

俺は、鉄拳をスザクの綺麗に割れた腹に打ち込んだ。







「あれ?でもスザクさん、私がドアを開けたとき、私の名前を呼んだような気がしたんですけど…

気のせいだったのでしょうか…」



嗚呼、我が愛しの………!









>>半分コレ、経験談なんですよ(私=ナナリー)
もうおもいだしたくないです。
07.6.15 踏桜
07.7.7 加筆修正




あきゅろす。
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