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46 視線








「で?どうなんだ?あの男との身体の相性は」

椅子に座り、本を読むルルーシュの背後に居る緑色の不思議な髪の毛を持つ少女は言った。
彼女は今シャツ一枚の姿で、ルルーシュのベットに大きく寝転がり、優雅にくつろいでいた。
ルルーシュは目の前で無防備な姿を晒している女を極力視界に入れないように努力をしていたが(ムカツクが決してこの女には敵わないから)既に彼は怒りの限界に達しそうだった。

彼はどうやってこの女を追い出すかを真剣に考えていた。

「別に」

というのも、今宵はスザクが家に食事に来て、翌日仕事が休みだというので夜遅くまでナナリーと一緒に居たのだ。
そのナナリーの計らいでスザクは泊まることになり、現在彼は入浴中。
けれど泊まるということになればルルーシュとやることは決まっている。
最近スザクは軍の仕事が忙しいらしく、会うことすら久しかったのだ。
互いに年は同じく、青春真っ只中。 出すもの出さなければいけない時期である。
だからといって捌け口としてだけではなく、純粋に相手を愛し、愛されながら情交をするのだ。
そんな恋人同士の当然の営みをするべく、今宵スザクはルルーシュと一緒の部屋に寝ることになっている。
もちろん、そんな事情ナナリーが知るわけもないが。
この女は知っているはずだ。なのに知らない振りをして部屋に居座り、ルルーシュの神経を逆撫でている。

「ヨくないのか?と、いうか。あの男が下手クソなのか?」
「お前には関係ない」
「まったく、お前というものが、大層なご趣味をお持ちだな」

ルルーシュをからかう様に女は話を続ける。 ルルーシュは背中から精一杯の「出て行け」オーラを出しているというのに。

「C.C.、わかっているのだろう」
「はぁ?」

だから、今すぐここから出て行けというのに。でないとスザクが風呂から出てきて、この部屋に来てしまう。
直接言ったほうがいいだろうか。 でもそんなことは変に生まれたプライドが許さない。
ルルーシュは読んでいた本を音を立てて閉じた。

「お前…いい加減に…っ」

と、ルルーシュが立ち上がり、平然と居座るC.Cに近寄ろうとしたその時。
こんこん、と入り口のドアが軽くノックされる音がした。

「ルルーシュ…?入っていい?」

スザクだ。
はっとルルーシュはドアに身体を向け、しばらく考えをめぐらせた。ドアの前にスザクが居れば女を他の部屋に移動させる事ができない。
そしてとりあえずC.C.をどこかに隠さねばと、ベットの方に振り向くと、さっきまで居たはずが、そいつは居なくなっていた。

「…!?」

驚いて辺りを見回していると、今度は「ルルーシュ…?」とスザクが心配そうに声をかけてくる。
ルルーシュは「待っていろ」といい加減に返事を返しながらも女の姿を探した。

と。

「ここだよルルーシュ。どうやら退路は絶たれたみたいだな。私はここで隠れているとするよ」

ベットの下から小声で楽しそうな女の声が聞こえた。ルルーシュは漸く女を発見し、瞬間的に、馬鹿か!と罵声を浴びせようとしたが、今この状況で大声を出すことは出来ないとその言葉をぐっと飲み込んだ。

「っ………!!」
「ほぉら。恋人様がお待ちだぞ?」

ルルーシュは内心で大きく舌打ちをしたが、けれど怒ったところでどうしようもなかった。
さすがに第三者がベットの下で息を潜めている中、情交などできまい。
だから何か理由をつけて今日は止めて欲しいとスザクに嘆願しようと思い、急いでドアを開けた。

「どっ、どうしたの?ルルーシュ」

中々開けない彼を心配してスザクは不安そうな声を出した。けれどルルーシュはそれをさりげなくごまかす。

「待たせて悪い、スザク。ちょっと本に挟むしおりを探しててね」
「そっか」
「で、スザク…、うっ!?」

ドアが閉まると同時に、スザクはルルーシュに抱きついた。言おうとしていた言葉が一気に遮られる。
そして次の瞬間には余裕のない濃厚なキス。あまりに強いスザクの力は、ルルーシュの抵抗を無駄にした。
閉じた口を無理やり開かせ、ねっとりと厚い舌を絡ませられる。送られてきた唾液は口の端を伝った。

「ルル…」
「んん…!んふ…!!んー!!」

ルルーシュはスザクの背中を叩き、必死に抵抗した。しかし腰と頭をしっかりと抱きしめられている所為で身動きすら取れない。
そんなルルーシュをよそに、スザクはキスに没頭し、あろうことか腰と腰を密着させ、主張する己を擦りつけてくる。
正直参った。本気になったスザクはルルーシュでも止めることはできないのだ。

「ルルーシュ…ベットに行こう」

漸く唇を解放したスザクは真剣な眼差しでルルーシュを射抜いた。
その視線にルルーシュはたじろぎ、その一瞬の隙を突いてスザクはルルーシュを抱き上げ、ベットに運んだ。

「ちょ…!スザク…待てっ…!!」
「聞かない。僕がどれだけ我慢していたと思ってるんだ」
「どれだけって…!待て!止めろ!」

しかしやはり抵抗空しく、あっさりとルルーシュはスザクに組み敷かれてしまった。大きくベットが軋む。
下にはあの女が聞き耳を立てているというの……!! ルルーシュは全身に冷たい汗が噴出すのを感じた。
そんなこと耐えられるわけがない。けれどスザクに女のことを明かすことなど絶対に出来ない。

「ルルーシュ…っ」

スザクは本気だ。見ると、今にも獲物を食わんとする獣の瞳になっていた。さらにルルーシュは焦る。

「スザク…止めっ…」
「…そんなに抵抗されると、いつもより激しくしたくなるよ……」
「ああ…、ぁっ…」



この馬鹿共が………っっ!!!



ルルーシュは胸の中で二人に叫んだ。



スザクは抵抗するルルーシュをよそに、服をどんどん剥ぎ始めた。
シャツを着ているだけだったルルーシュはボタンを外され、ベルトを緩められ、脱がされる。

「や…待…っ、スザク…!!」

耳を食まれ、時折息を吹き込まれる。それに弱いことをスザクは知っていてわざとやるのだ。
そして事実、ルルーシュは手足が甘く痺れ始め、抵抗すら上手く出来なくなっていた。
スザクはルルーシュのシャツのボタンを全て取ると、目の前にあらわれた白い胸に吸い付いた。

「ルルーシュ…」
「うぁ…。や…め…ろっ…!」

甘い声を上げてしまいそうになる自分を必死に押さえ、目に前にあるスザクのくせ毛に指を絡めて引っ張った。
しかしまたその抵抗虚しく、スザクはお構いなしにルルーシュの乳首を舌で濡らしていった。
本当にルルーシュをそのまま食べてしまうかのように。

「ここ、固くなってきてる」
「やめ…、離せ…っ、スザク…!!」
「ここ、は…?」

スザクは乳首への愛撫をそのままに、手をルルーシュの下着へと忍ばさせた。
さらにルルーシュは顔を紅潮させながら青ざめた。

「ひぁ…!」

しかし突如襲い掛かってきた快楽にルルーシュは声を抑えることなど出来なかった。
ビクンと身体全体を震わせ、髪に絡めた指の力を強くした。

「濡れてる」
「言う、な…!」

スザクは弱々しくなってきたルルーシュの抵抗をいいことに、彼の性器を掌全体で抜きあげる。
考えとは裏腹に溢れ出した先走りの液が擦れて卑猥な水音を響かせる。
だがもちろんルルーシュも今のこの状況を忘れてはいない。ベットの下には自分達以外の第三者がいる。
しかも弱みを握られると厄介そうなあの女だ。
今頃ニタニタと笑いながらこの状況を嘲笑っているのだと思うと、屈辱でどうにかなってしまいそうだった。
ルルーシュはどうにかしてこの状況を打破しなければいけなかった。
けれど性器を揉みしだくスザクの手の動き巧みで、その理性も半分快楽に流されそうになる。

いけない、流されてはいけない、そうわかっているのに。

「ぁ…ふ…。な、スザク…俺、今日は…ちょっと…」
「何?」

スザクの欲に濡れた低い声がルルーシュを突き刺す。ルルーシュは負けじと言葉を続けた。

「お前、明日軍は?」
「ないって言ったよ」
「ほら、まだナナリーが起きてるかもしれないし…」
「お風呂入る前におやすみなさい、って言われたよ。もう寝てる」
「宿題終わってなくて、やりたいんだけど」
「いつもはやらないくせに」

この馬鹿が!と頭を殴って言いたいところをルルーシュは必死に耐えた。
しかし、次の台詞を考えているうちに、スザクはベットの脇に置いてある潤滑油に手を伸ばしていた。
蓋を開け、己の指に粘度の高い液体を絡ませると、ルルーシュの後腔に差し入れた。

「く…あっ…!」
「どうしてそんな事言うの、ルル」

相変わらず低い声でスザクはルルーシュの後腔をほぐしながら呟く。
内壁を濡れた指で擦られ、既にルルーシュは言葉を発することすら困難になってきた。
耐えても耐えても出てしまう声に、思わず唇を噛む。

「ん…んぅ!!」
「噛まないで。耐えることなんかないのに…。ナナリーも寝て、もう二人だけなんだから…」

二人だけじゃないんだよ!馬鹿ッ!と言いたい衝動をルルーシュはまた耐える。
目には悔し涙さえ滲んできた。
そんな彼にスザクは閉じられた唇をほどくように優しいキスをし、舌で唇を舐めた。
その行動に思わずルルーシュは閉じた口を少し緩める。

「ぁ…ふ…」

その隙を狙ったのかスザクはルルーシュの口内に舌を侵入させた。くちゅり、と卑猥な水音が響く。
キスの間に後腔から指は抜かれ、ぐずぐずになったルルーシュの後腔には即座にスザクの性器が埋め込まれた。

「んー…!ん、ん、ん!」

いきなり入り込んできた質量と熱にルルーシュは目を見開き身体を大きく震わせた。
いつの間にかしっかりとほぐされた後腔はスザクの性器を痛みもなく、きちんと受け入れた。
スザクはルルーシュに濃厚な口付けをしながら徐々に奥へと侵入する。

「動く、から」
「ぁ…スザクっ…!や…っ!」

漸く唇が離されたと思いきや、スザクはゆっくりと律動をし始めた。
こうなるともう流石のルルーシュも理性の制御がきかなくなってくる。
熱いスザクの性器を内壁で抱擁し、全体的に圧迫する。スザクはその感覚を味わうかのようにゆっくりと律動をした。

「ルルーシュ…」
「あ…っ、あ…ふぁ、あ…!」

動く度にさらに奥へと進んでいくかのような、スザクの性器。
いつの間にかもう声をあげまいとしていたことも忘れ、ただただスザクから与えられる快楽に身を悶えさせた。
動くたびに軋むベットの音もすでに知覚の外だった。今はただ、目の前にある絶頂を目指すことしか考えられない。

だんだんと律動が激しさを増し、内壁にある弱いところを突かれた瞬間、視界は真っ白に弾けた。

「ルル…、ルルーシュ…っ!」
「あは…ぁ…っ!スザク…ぅっ!!」
「ごめ、中に…っ!」
「んああっ…、ああぁーっ…!」

スザクはルルーシュが絶頂を迎えると、最奥に精液を放ち、そしてそのまま脱力したようにルルーシュに覆い被さった。
突然圧し掛かってきた重い身体にルルーシュは一つ溜息を吐き、退けとばかりに強く肩を掴んだ。
しかしスザクはそのまま寝入ってしまったようで、それを見てさらに深い溜息を吐いた。

「疲れてるならするなよ…馬鹿が…」

おかげでこっちはとんだ羞恥プレイだった。と、心の中で言いながら、筋肉の所為か、重いスザクの身体をどうにか退かして布団へ寝かせた。
身体が解放されてほっと息を吐いていると、ベットの下からもぞもぞと悩みの種が出てきた。
のっそりと立ち上がり、裸の二人を見ると、はん、と鼻を鳴らす。

「お前はどこぞのAV女優か」
「……どういう感想だ」

ルルーシュは頭を抱えながらC.C.を睨み付けた。けれどその視線に迫力はない。
疲労が、あらゆる疲労が襲い掛かってきたのだ。
たった一回のセックスでこれまで疲れたのも久しぶりだった。

「AVにして売ったらどうだ。なんとかの団の資金稼ぎに」
「するかっ!」



こうして、三人で過ごす夜は更けていくのであった……。



「私を退かしたいなら、ピザのミミにソーセージを入れさせろ」
「………それが目的か…」










>>とても楽しく書けました^^
07.3.11 踏桜
07.7.7 加筆修正




あきゅろす。
無料HPエムペ!