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10 夕焼けサディスティック








今日は久々に学校に来れた。
ここ最近軍の仕事がますます忙しくなり、学校に来る日より来れない日の方が多くなってきている。
このままでは留年の心配もあるとは思うのだが、軍を休むわけにもいかないのが現状。
けれどやはり学校にいる時間はとても楽しい。
生徒会では皆良い人ばかりで、風紀委員としてもそれなりに忙しく、軍とはまた違った充実感がある。
戸惑うことも多少はあるが、でもなにより一番、その充実感をくれるのは、彼、ルルーシュの存在。
生徒会にいても、授業を受けていても、なんだかんだと彼は自分を助けてくれる。
世界で一番大好きな人と一緒に過ごせる時間が、自分にはなにより嬉しいことであるのだ。
7年間、ずっとそうできなかった、穴埋めをするかのような幸せな時間。

生徒会の仕事も無事終わり、明日は久々に軍も学校も休みだから今夜はルルーシュと過ごしたい、と。

夕焼けに染まる空を窓越しに見ながらぼんやりと思った瞬間だった。

「久々の学校はどうだったか?スザク」
「わ!ルルーシュ!」

今まさに探しに行こうと思った張本人が現れた。スザクは思わず声のトーンを上げて彼の名を呼んだ。

「なんだ、元気そうだな」
「うん!とても楽しかった!」

ルルーシュはスザクの隣に積んであった山積みの処理済であろう書類を見て、スザクの元気さに驚き、また少し呆れた様子だった。
おそらくスザクも会長の罠に嵌り、仕事を押し付けられたのだろう。はめられた自覚があるかないかは別として。

「ねぇ、ルルー……」

スザクは機会を逃すまい、とすぐにルルーシュに談判しようとした。
ちょっとでも機嫌が悪いと彼は相手にしない事が多いが、そんなことは今はおかまいなし。
今夜は、絶対ルルーシュと…。

しかし、

「スザク。明日、仕事は?」
「ほぇ?」

思わずスザクは素っ頓狂な声をあげた。言おうとしていた言葉をいきなり遮られ、さらに質問を返され驚いた。
ルルーシュを見ると、彼は視線を斜め下に向けて、スザクを見ようとしていない。

「え、あ、うん。明日は久々に休み。 えー…と、だから…」

スザクはまだ自分の主張を捨て切れなかった。恥ずかしそうに口をどもらせる。
一方ルルーシュはそんなスザクの態度とは裏腹にさらりと自分の主張を言ってのけた。

「そうか。じゃ、俺の家に来い」
「えっ?」
「もう帰り支度は済んだだろう。行くぞ」

と、スザクが反論する暇もなく、ルルーシュはスザクの手を引き歩き出した。
あまり強いとはいえないような力だったがいきなり引かれ、スザクは身体のバランスを崩しながらも、引かれた手とは反対の手で鞄を取り、そのままずるずるとルルーシュのなすがままに連れて行かれた。
引っ張られながら途中スザクは何回かどうしたのとルルーシュに聞いてみたが、彼は応答しなかった。
早歩きの彼に合わせて、スザクも時折足をもつれさせながら、学校に隣接する彼の家へ向かった。




シュン、と自動ドアが閉まると同時にキスされた。
しかも驚くほど濃厚なキスだ。無理やりに口をこじ開けられると即座に熱い舌が入り込んできた。
急すぎる彼の行動に、思わず手に持っていた鞄を床に落としてしまった。

「ん…ん!?ルっ……?」

抵抗はもちろんするつもりはないが、スザクは驚いて身をよじらせた。
しかしそんな動きも気にせずルルーシュはスザクの頭をがっちり両手で掴み、唇を押し付けてくる。
何度も角度を変え、あらゆる角度から舌を侵入させてくる。時には歯をなぞり、時には唾液を流し込み、舌を絡める。
こんな濃厚なキスはさすがのスザクでも難しい。上級テクニックが垣間見えるキスは、あっという間にスザクをその気にさせていく。

「んぅ……」

気がついたらスザクも己の舌を絡ませていた。積極的すぎるほどのルルーシュの舌に合わせて、唾液を交換していく。
どれほど長い間そうしていたかわからない。互いの息が苦しくなるまでそれは続いた。

「はっ…はぁっ……、ん、ルル?」

漸く離された口と口。互いの唇は長すぎるキスの所為で少し赤く腫れていた。
酸素を求めて規則的に息を吸いながらスザクはルルーシュを見た。

「スザク…!来いっ」

そこには平生より少し色が濃くなった彼の紫の瞳。しかしそれに見とれている暇はなく、またスザクは腕を引っ張られた。

「ぅえ…ええ!?」

引っ張られ連れて行かれた先は彼のベット。スザクはそのままそのベットに放り投げられた。
仰向けのまま思いっきり倒れこみ、ベットのスプリングがわずかに悲鳴を上げた。
そして寝転がるスザクの腹にルルーシュは素早く乗っかかり、おもむろにスザクの服を脱がしにかかった。
流石のスザクもここまでされてしまってはびっくりして、声を荒げた。

「え、わわわ!ちょっと!ルルーシュ!?まま、待って!ど、どどどうしたのっ!?」

一応自分の中でルルーシュは「親友」であり尚かつ「自分が愛している人」であった。
恋心からルルーシュを抱きたいと思うし、愛したいと思う。
けれどここまで彼が積極的なのは初めてで、正直スザクは戸惑っていたのだ。
ついに自分も抱かれてしまうのだろうか。と。
とはいえ別に抱かれる側になっても彼を愛することは変わらないのだが。

「いいから、黙っていろ」
「はっ、はい…」

ルルーシュも相当余裕がないようだった。スザクの着ている制服を脱がそうとするのだが手が震えて思うようにいかない。
自分も同じ制服を着ているはずなのに。

「今日、は俺が…するか、ら」
「えっ…」

やはり抱かれてしまうのだろうか。ついに。

「お前は、何もしなくて…いい」
「ぅ…うん」

そう言いながらルルーシュは漸くスザクの服を脱がし終え、己の服も脱ぎ始めた。
何もするな、と言われたからには着替えを手伝うこともできない。
スザクは目の前で着替えるルルーシュをぼーっと眺めた。
徐々に現れる白い肌。細すぎるくらいの腰。桃色の乳首。浮き出る鎖骨。
スザクはキスによって高められた熱が一層疼くのをを感じた。

綺麗だな、と思う。神々しいまでに美しい彼の身体。
ここ最近彼に会うことすら久しく、情交など一ヶ月近く出来なかったように思える。
抱かれるのもいいかもしれないが、やっぱりルルーシュを抱きたい、と思う。
あの白い肌に噛み付いて、痕を残して、舐めまわして、己の手で揺さぶりたい。
雄の本能が身を翻弄する。スザクはそのままぼーっとルルーシュを眺めていた。

「ん…あっ!」

しかしそんな考えもあっさりと吹き飛ばされた。いきなり響いた彼の甘い声。
慌てて彼を見ると、彼は己の指をローションで濡らし、自ら後腔に突き立てていた。

「ぁ…い…っ!」
「ルルーシュ!? ちょ…何して…っ」

眉間に皺を寄せた彼は痛みに耐えているようだった。スザクは身体を起こした。

「駄目だよルルーシュ…!っていうか、ええっ!? 自分でそんな…」
「う…るさい!いいからお前は寝ていろ!」
「そんな事言われても… 辛そうなのに」
「はぁ…ん…、いい、から…っ」

腹に跨り自らの後腔をほぐす彼の姿はこの上なくいやらしかった。
見ているだけでスザクは熱がぐんぐんあがっていくのがわかる。

「ん…、ん」

時折漏れる彼の喘ぎ声がなんとも悩ましい。突き上げてくるあらゆる衝動をスザクは耐えねばならなかった。
しばらくするとルルーシュは後腔から指を引き抜き、今度はスザクの性器に触れてきた。
思わずびくっとスザクの身体が跳ねる。

「は…。お前ももうこんな、硬くして…」
「ルル…」
「これなら、俺がしなくても…大丈夫そう…だ、あ…っ」

ルルーシュはそのままスザクの性器を後腔に受け入れた。彼はまた苦しそうに顔がゆがませる。

「ルルーシュ…っ!うぁっ!」

突然己の性器が熱い内壁に包まれ、スザクは彼を制止する前に咄嗟に襲い掛かった射精感を耐えるしかなかった。
きつすぎる彼の後腔。まだ慣らしが不十分らしい。

「待って、ルルーシュ!まだ…っ」
「俺なら…平気…だっ!」

痛みに顔をしかめがながら必死にルルーシュはスザクを受け入れようと腰を降ろした。
ある程度ローションのおかげで挿入はされるものの、やはり彼にかかる負担は大きいらしい。
スザクは射精を耐えながらも彼に懇願した。

「君を傷つけたくはない…っ。一回抜いたほうが…」
「いい…っ!」

ルルーシュは半ばまでスザクを受け入れるとゆっくりと律動を開始した。全部は入りきれないらしい。
緩やかながらも必死に腰を動かし、ルルーシュは快楽を得ようとしていた。

「ぅ…あ…あん…っ」
「ルル…」
「スザっ…ぁ…ん」

彼の額には汗が滲み、目には涙さえ浮かべていた。相当辛いのだろう。
慣らしきれていない後腔への無理やりの挿入と、中途半端に浮かされた熱。そしてこの体勢。

「ルル…無理しないで…」

スザクは苦しげなルルーシュに思わず声をかけた。

「してない…っ、う…」

構わずルルーシュは律動をする。ぐちゅぐちゅと音を立てながら腰を動かす。
ローションは二人の動きを助け、ルルーシュにも圧迫感以外あまり痛みはなさそうだったが、彼の動きだけでは十分な快楽は得られていないようだった。
中途半端な快楽と熱は互いを苦しめる。

「というか…正直僕が無理なんだけど…」
「え…?」

そう言うとスザクはおもむろにルルーシュの腰を掴んだ。
そしてゆっくりと下に降ろし、中途半端に収められていた性器を彼の中に押し込んでいく。

「ふぁ…っあ、あ、ああ…あ!やめっ…スザク…っ!!」
「ごめん。やっぱ…っ!」
「あっ、あ…あああーーっ!!」

ずるずると、極力彼に負担をかけないように押し込み、全てが収まると、ルルーシュは達してしまった。
白い精液がスザクの顔を汚す。

「ルル、一緒に動こう?」
「う…るさ…」
「僕もやっぱ、ルルを抱きたいから…。ね?」

スザクはそう言って下から少し腰を突き上げた。ルルーシュが甘い叫び声をあげる。
しかしルルーシュも負けじと再びスザクの腹筋に手をつき律動をする。
互いに動き、予測できないランダムな突き上げにルルーシュは背中を仰け反らせた。
しなる白い身体、汗と涙でぐちゃぐちゃの彼の顔、舞う黒髪。
その全てが美しくて、いとおしくて、スザクは少しずつ腰の動きを早めた。
ルルーシュも動きを止めず、ひたすらにスザクの性器を出し入れし続けた。

「ね、ルル…どうして今日はそんな積極的だったの…?何か変なものでも食べた?」
「ぁ…っ、あ、こんな時に…聞くか…馬鹿っ…!」
「後々だと言ってくれなさそうだから…」
「あ…っ、あ、単なる…気まぐれだ…っ」
「ふーん…」

聞き終わるとスザクはさらに突き上げを激しいものにした。途端ルルーシュの声が大きくなる。

「あ、あっ…ひぁっ…く…ぅ」
「だす…よ?」
「いい…からっ、あ、もう…、あ、あああっ…!」
「うっ…!ルルーシュ…っ」

互いに動き合い、最後にスザクが大きく突き上げるとルルーシュは白い身体をしならせて再び達した。
同時に内壁が窄まり、その刺激でスザクも漸く達することが出来た。

「ん……っ…」

ルルーシュはスザクが達したのを確認すると、最後の力を振り絞り、スザクの性器を後腔から引き抜いて、寝転がるスザクに倒れこんだ。
それを驚きながらもスザクはあっさりと受け止め、そして腕の中に彼を閉じ込める。
そして荒くなった息を整えながらルルーシュはぽつりとスザクに話しかけた。

「俺が、やるって言ったのに、馬鹿が」
「またそんなこと言ってー」

スザクは恋人の可愛い言い分ににこにこしながら、汗で少し湿った髪を撫でた。

「お前は、仕事…で、しばらく、会えなかったから…」
「え?」
「俺、は…」

だんだんと弱くなっていくルルーシュの声。見ると彼は疲れたのか、眠ってしまったらしい。
スザクはくすっと笑い、静かにルルーシュをベットに寝かせた。
何を言いたかったのか少し気になったりもしたが、彼の安らかな寝顔を見てそれもどうでも良くなってしまった。
スザクは彼の唇に優しいキスを落とし、布団をかけてやると、ベットから降りた。

と。

「お兄様、スザクさん?お夕食の準備が…」

突如入り口のドアが開き、ナナリーが声をかけてきた。

「のわぁあっ!!」

素っ裸だったスザクはびっくりして腰を抜かしてしまった。咄嗟に近くにあった服で身体を隠す。

「スザクさん?」

ナナリーは目を見えないということがわかっていてもさすがに恥ずかしい。
スザクは顔を真っ赤にしながらもしどろもどろに答えた。

「あ!ありがとうナナリー…。えっと、なんかルルーシュ疲れて寝ちゃったみたいだから…!」
「そうですか。ではスザクさんだけでも…。ん?」
「どっ、どうしたのナナリー…?」
「お兄様のお部屋、何か変な臭いが…」

瞬間、スザクは身を凍らせた。











>>9000リク「強めルル」でした。青柳星輝様ありがとうございました。
2007.3.11 踏桜
2007.7.7 加筆修正





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