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60 初期衝動









スザクは、自分よりもはるかに体力が備わっている。
否、自分と比べるのはおかしいのだろう。 彼は、人並みはずれた超人的な体力の持ち主だ。
体力だけではなく、運動神経、柔軟性、機敏さなど、その身体能力は学校でも群を抜いている。
別に、スザクが身体面で自分より勝っているという事実に悔しさを抱くわけではない。
彼の能力は生まれつきであるだろうし、その持続も、飛躍も、なにせ真面目な性格だから、鍛錬を毎日欠かさずこなした結果なのだろう。

ただ、その体力は時に激しい凶器に変わる。 ルルーシュはそのたったひとりの被害者だ。





「ぁ…あ、ぅ、…あぁ…っ!」

激しく、激しくぶつかり合う腰と腰。その間にある粘り気の強い白い精液が、もはや潤滑油となってふたりの動きをスムーズにしている。
スザクは胡坐をかき、ベットの枕元の柵に背中を預け、ルルーシュはその上に跨っている状態。…いわば座位だ。
すでに意識は朦朧とし、視界はぼんやりと霞んでいた。
断続的にぐらぐらと上下に揺れているのがわかる。 その動きに合わせて下半身に激しい熱が踊り狂っているのもわかる。でもただそれだけ。
怖いくらいに身体が快楽に支配されていた。 それも半端じゃない速度で加速している。
絶頂が、近かった。

「ルルーシュ…、ルルーシュ…」

眼下にいるこの男は、さっきから恋人の名前を連呼している。 時折舌で、曝け出された乳首を食み、ルルーシュを煽る。
高められた快楽はその峠を必死に目指していた。
けれどもう、今宵は数えるのも億劫なほど、その峠を越えていた。
夜はもう更けている。正確には今何時なのだろうと確認しようにも、この状態では振り返ることも出来ない。
けれど予想するに、日付はもうとっくに越えている。

「あ…ルルーシュ…、きもちい…っ?」

律動を止めずにスザクは訊ねる。 ルルーシュは真面目に返答できるわけもなく、上がる息を必死に抑えながら言葉を紡ぐ。

「は、ぁ…あ、…うるさ…い、スザクッ…」

ルルーシュはスザクほど体力はない。というよりスザクの身体能力が異常なのだ。
…体力自慢のスザクとのセックスは、ここ最近ますます激しさを増すように思える。

「僕は、きもちいよ……、っ」
「ああ……っ…」

スザクはそう言って、ルルーシュの胎内に性器を捻じ込んだ。 脳に伝わる痛烈な刺激にルルーシュは耐えられず
スザクと同時に果てた。びくびくと大きくひとりでに身体が震える。

「ぁ…、ふ…っ」

絶頂の余韻にルルーシュの身体は僅かに痙攣し、無意識にスザクの肩を抱いた。
スザクも震えるルルーシュを優しく抱きとめた。
溜息を吐きながら、ルルーシュは一気に疲労感と眠気を感じた。指を一本動かすことさえも気だるい。
スザクも精を放ち、やっとこれで眠気に身を任せることが出来ると思った瞬間だった。

「……え…?」

ルルーシュは突然、浮遊感を感じ、声を上げた。
何事かと目を開くと、スザクはルルーシュの中に性器を埋め込んだまま動き出した。
ルルーシュの背中と腰に手を回し、ゆっくりとそのままベットに押し倒される。

「ちょ…お前…何する…っ」

あっさりベットに横になってしまったルルーシュはスザクに抗議しようとした。けれどその言葉はスザクのキスでふさがれた。
キスの間、ルルーシュは瞬く間に腕を押さえつけられた。身動きがとれず、思わず眉をしかめた。

「ん…っ…!」

口をこじ開けられ、舌を入れられる。 性器は挿入されたままで、そこからじわじわと熱が伝わってくるのが堪らなかった。 けれど身体全体にかかる疲労感がルルーシュを眠りに誘う。

「ん…っ、ね…ルルーシュ…もいっかい…」

一通りキスをし、スザクはようやく口を離した。 そして疲れも眠気も全く見せない顔でルルーシュに懇願した。

「ふざけるな……っ、もう…止めろ…」

正直ルルーシュはうんざりしていた。 スザクは今宵この台詞を何回吐いたのだろう。

「おねがい…!これでもう終わりにするから…!」
「嘘を吐くな。そう言ってお前は…」

何回俺を抱いたつもりだ、と言おうとしてルルーシュは止めた。 
もう言葉を発することさえも億劫だった。
代わりにふぅと盛大に溜め息を吐いた。

「えぇ〜…」
「いいから早く抜けよ…」
「いやだよ…」
「抜け」
「…はい」

ルルーシュの圧倒的な気迫に圧され、スザクは仕方なくルルーシュから性器を引き抜いた。
その瞬間、ルルーシュの後腔からどろりと大量の精液が溢れ出た。
情事の長さと濃さに比例し、その量は半端ではなかった。
ルルーシュは口をつむぐ事が出来ない後腔にひんやりと冷たい空気と、粘性の高い液体が流動するのを感じ
疲れきった身体を震わせた。

「あちゃー…」

スザクはルルーシュの中から溢れ出る己の精液を見て、また後悔の念に駆られていた。
欲望のままにルルーシュを抱いたことを、酷い罪悪感とともに反省する。

「ごめんね、ルル…」

そう言って、既に眠りに入ってしまったルルーシュの頬に小さくキスを落とした。 
静かな寝息を耳に感じ、そしてすぐ、汚れてしまったルルーシュの後始末をするために立ち上がり、台所に向かった。







>>777リク「しつこいスザク」でした。梨華様ありがとうございました。
2007.2.4 踏桜
2007.7.7 加筆修正




あきゅろす。
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