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Dear...




「スザクくん、お誕生日おめでとー!」

まるで、どこかのお祭り騒ぎのような雰囲気の生徒会室。
盛り上げ隊長であるリヴァルや会長が、盛大にスザクを取り囲んでいる。
そして手に持ったクラッカーをパンパンと開け続けた。
シャーリーはスザクの真横に付き、ピザやなんやと勧め、カレンとニーナとナナリーが後方で嬉しそうに
拍手をしていた。

ルルーシュはただ、それをぼんやりと立ちつくして見ていた。
半ばサプライズ的に行われたこの誕生日会。
そもそもこのような羽目を外したテンション高めの大盛り上がりという雰囲気はルルーシュにとって
苦手なものであったし、彼らのノリについて行ける性格も体力も生憎持ち合わせてはいない。
だから、ルルーシュはいつもそれを端から冷静に観察しているだけで。

クラッカーの中身のキラキラした紙やひもまみれで、でもとても嬉しそうににこにこと笑顔を
振りまいているスザクを、優しい顔の振りをして見ていた。

スザクは本当に嬉しそうだった。
まぁ、それは当然だろうな、とルルーシュは考えていた。
ここ数年、スザクは軍で訓練に明け暮れ、自分の誕生日すら忘れる事も多かった日常を送っていたのだろう。
もちろんその中で誕生日など祝ってもらったことなんて、ない。

だから今日くらいは…と考えてルルーシュはその感情に蓋をした。

この学校に来て、友達ができて、漸く年相応の日常生活を送り、笑顔を見せるようになったスザク。
そのことに安心していたのは、やはりルルーシュで。

「スザクくん!ほら!今日は主役なんだからっ!食べて食べて!」
「ありがとう、シャーリー」
「そうよぉ〜あんたの好きなゴージャスフォー頼んだんだからね!4種類ちゃんと食べるのよぉ〜!」
「はい。頂きます、会長」
「……あっ、コーラ、飲みます?」
「うん、ありがとう、ニーナ」
「……タバスコかける?スザクくん」
「ありがとうカレン。僕辛いの好きだから、嬉しいよ」
「ちっ…」

あれよあれよという間にスザクは女性陣に囲まれ、ちやほやとされていた。
もちろんルルーシュは、その輪には入らず、しかしだからといって他の事をしているわけにもいかずに
しばらくずっとその様子を眺めていた。

「おースザク選手、ハーレム状態ですなぁ!どう思います?ルルーシュ解説員?」

と、同じく輪から外れた盛り上げ隊長のリヴァルが寄って話しかけてきた。
どう思う?と聞かれてルルーシュはさらりと顔色変えずに受け答えた。

「まぁ、スザクもああやって盛大に祝われたことなんてないだろうから、
普通に感動しているのだろうな」
「おっとぉー?冷静ですな」
「は?まさか、俺があのスザクを羨ましがると?」
「いーえいえ、それはですねぇ……」

と、リヴァルが何か含みのある笑いをした時だった。

「ルルーシュ!」

少し離れた位置にいたスザクがルルーシュを呼んだ。
はっと顔を上げて見てみると、スザクは両手にピザを持ち、ご満悦の表情で
ルルーシュに手を振っていた。
仕方なく、ルルーシュはリヴァルとの会話を打ち切り、そのまま二人でスザクの元へと
歩みを進めた。

「よかったな、スザク」

ルルーシュはスザクに勧められたピザを食べながら、話しかけた。

「うん。びっくりしたよ…。まさか皆が僕の誕生日を覚えてくれていたなんて…」
「ああ、生徒会の仕事は忘れても、こういうことは覚えているからな、会長は」
「あはは、でも本当………嬉しかった」

スザクは本当に幸せそうな笑顔を、ルルーシュに見せた。




大盛り上がりだった誕生会は結局夜まで行われた。
ルルーシュは生徒会室の後片づけをした後、ナナリーと共に家に帰った。
そしてナナリーを咲世子さんが風呂に入れ、出た後、疲れてしまった彼女をすぐに寝かせるために、
ベットに運び、自分もその後シャワーを浴びた。
そして黒の騎士団との連絡を取り合い、終わった頃には、時間は既に日付を越えようとしていた。

ルルーシュはベットに座りながら深く溜め息を吐いた。
すると、ふらりと目の前に緑色の髪の少女、C.C.が現れた。

「ふふ、どうした。流石のゼロ様も学業との両立は身に堪えるか?」

あえて、疲れているルルーシュを揶揄するようなC.C.の言葉に、しかしルルーシュは
もう慣れたとも言うようにその端正な顔をほんの僅かに歪ませて
何か含んだ笑いを浮かべてC.C.を見た。

「ああ、疲れたよ。今日はスザクのせいでな」
「なんだ?学校で盛られたのか?」
「………違う。今日はあいつの誕生日で、生徒会で誕生会を……」
「ふーん……」

C.C.はベットに座るルルーシュを見て、またにやりと笑みを返した。

「と、いうことは、あれはおじゃんになってしまったと言う訳か」
「…………」
「かわいそうなルルーシュ」
「……黙れ」

と、ルルーシュがまた溜め息を吐きそうになったその時だった。
テーブルの上に置いていた携帯電話が着信を知られて鳴りだした。
こんな時間に誰だ、とゆっくりとした動きでルルーシュが携帯を取って見ると
待ち受け画面に映されたのは、「スザク」の文字。
ルルーシュは一瞬悩んだ後、通話ボタンを押した。

『ルルーシュ?』

つい数時間前に会ったばかりの、スザクの声。

「どうした?こんな夜中に」
『あ、ごめんね。えと、今君の家の前に居るんだけど…開けてもらえるかな』
「はぁ?何で……」
『ちょっと君に、渡したいものがあるんだ』

ルルーシュはスザクと話しながらC.C.に「出て行け」と目で合図をした。
すると、また少し含み笑いを浮かべながらも、今日は素直に部屋から出て行った。

「……はは、俺が今日は何か送るべきだったんじゃないのか」
『ううん、いいんだ。で、入れてもらえる?」
「ああ、わかったよ。玄関で少し待っていてくれ」

そう言って電話を切ると、とりあえずC.C.の髪の毛が床などに落ちていないか確認し、
急いで玄関へ向かった。

「ごめん、寝てた?」

玄関の前に居たのは私服姿のスザクだった。
申し訳なさそうに手を合わせて謝るスザクに、平気だ、と答えてルルーシュはスザクを
部屋に案内しようと歩き始めた。

「もう、みんな寝てる?」
「ああ、ナナリーも疲れたみたいで、風呂に入ったらすぐに寝てしまったよ」
「そっか、なんか悪いことしちゃったね」
「いや、そんなこと……」

ない、と言おうとしてルルーシュは一瞬言葉に詰まった。
けれどはっすぐに我に返り、スザクとの会話を再開しようとした。

「でも、本当に……」
「ルルーシュ」

だが、そんなほんの一瞬の事でもスザクは見逃すことはなかった。
ルルーシュはしまったと思いつつも、問いつめるべく自分の目を覗いてきた
スザクの視線を受け止めることが出来ず、そっと目をそらした。

こんな態度を取ってしまい、失敗だったとわかっていながらも
ルルーシュはもうどうすることも出来なかった。

スザクの誕生日。
生徒会でのパーティー。
嬉しそうに、にこにこと笑うスザク。

ふとそのことが蘇って、ますます自分が惨めになっていくのをルルーシュは感じていた。

二人はそのまま歩き、ルルーシュの部屋の中に入った。
そしてルルーシュの予想通り、ドアが閉じるなりスザクはルルーシュをそっと背中から抱きしめてきた。
背中と、回された腕から感じるスザクの温もりに、ルルーシュは少し身を震わせた。

「何か、隠してる」
「…隠していない」

スザクはルルーシュの耳元で囁くようにして、問いかけた。
もちろん、ルルーシュがその行為に弱いということを知っていて。

「じゃぁどうして?」
「何がだ」

スザクは抱きしめる腕の力を少し強めた。

「どうして、おめでとう、って言ってくれないの?」

耳に感じる吐息に、ルルーシュは一層身体を震わせた。
どうにかしてスザクから逃れようと身を捩らせたが、力の差でそれも叶わなかった。

「自惚れるな……!!」

ルルーシュから、辛うじて出た言葉だった。

「嘘」

しかし、スザクはそれをやんわりと否定した。
ルルーシュはその言葉にびくりと身体を震わせて、またスザクから逃れようとした。
けれど、スザクも離さない。
ルルーシュは舌打ちをしながらも、もがき続けた。

「お前が俺より先に年上になるのが許せないだけだ…!」
「嘘」

だがやはりスザクは頑として離そうとしてくれない。
しょうがなくルルーシュは少し諦めて、抵抗する力を弱めた、その時だった。
ふと首筋に顔を埋めていたスザクが顔を上げたと思い、不思議に思って横目で見ると、
スザクの視線は、ある一点で止まっていた。
今度はその先を目で追って見てみると、そこにはソファと、その上に

放り投げられたエプロンがあった。

途端、スザクはルルーシュを腕から解放し、一目散に走り出して、部屋から出て行ってしまった。
急いで止めようとして伸ばした手も虚しく空を掻き、瞬く間にスザクは視界から消え失せてしまった。

「スザク…!」

ルルーシュもその後を急いで追っていた。
ナナリーを起こさないよう足音をなるべく立てないように。
どうせ追いつかないとわかっていたが、それでもルルーシュはスザクを追いかけた。

向かった先は、キッチンだった。

「……ルルーシュ、これ」

ルルーシュが漸く追いついたときにはもう、遅かった。

スザクの目の前にあるのは、少し大きめの鍋に入った、手のつけられていないカレーだった。
その場でスザクはぴたりと動きを止め、ルルーシュにまた問いかけた。

「君が作ったの?」
「違う、咲世子さんが」

ルルーシュはキッチンの入り口に立ちつくしながら、答えた。
俯いて、スザクの事を見ることはなかった。

しかし刹那の沈黙の後、ルルーシュは先刻よりもっともっと強い力でスザクに抱き込まれた。

「嘘っ………!」

骨が折れてしまうかのような強い抱擁。ルルーシュは、今度はそれを拒めなかった。

悔しさか、それとも喜びか、怒りか、悲しみか。
理解不能な感情にルルーシュは包まれていた。
しかし、それを処理する前にスザクの熱い口づけが降り注ぎ、思考は全うに働かなくなってしまった。
ただ、激しすぎるスザクの貪るような口づけと、強く抱きしめられた腕の力に酔い、
嘘をついたことも、意地を張っていたことも忘れて、ただそれだけに夢中になっていた。

本当は、スザクのために何日もかけてカレーを作っていたこと。
予想外の生徒会のパーティーで食事をしてしまい、それが無駄になってしまったこと。
スザクが皆に囲まれてとても嬉しそうにしていたこと。
おめでとうと、言おうとしていたのに言えなかったこと。

スザクはルルーシュの全ての感情を吸い込んでしまうかのような、激しいキスをいつまでも
続けた。

やがて互いに息が絶え絶えになり、ゆっくりとその唇を離すと、ルルーシュの目の前には、
熱っぽく、欲情しきったスザクの瞳があった。
唇がつくか、つかないかの距離で見詰められ、ルルーシュはさらにどきりと胸を跳ねさせ、思わずきゅ、
と唇を結んだ。
するとスザクは優しくルルーシュを抱きしめ、首筋にまた顔を埋めながら、ありがとう、と囁いた。
もう、全てを見抜かれている気がして、ルルーシュは素直にああ、と短く返事をした。
そしてスザクはそれを聞いて、首筋に埋めた顔を少し動かし、
ルルーシュの首の付け根あたりに噛み付いた。

「ぁっ……」

ほんの少し走った痛みに思わずルルーシュは声をあげてしまった。
おそらく、首には濃い色の花が咲いているのだろうと、ぼんやりと考えた。

「カレーも…いいけど。今は、早く君の方が食べたい、な…」

熱っぽい息を混じらせながら、耳元で囁かれ、ぞくりと背筋に走るものを感じながら、
ルルーシュは小さく頭を縦に振った。


「んぁ…あ……んっ」

胡座をかいたスザクの上に跨り、その性器を受け入れようと腰を落とさせられると、
そのあまりにも強い圧迫感にルルーシュは背を大きく反らして、衝撃に耐えようとしていた。
本来受け入れる場所ではない部分に進入してくる異物を押し出そうとする蕾の動きと、
もっともっとと貪欲にそれを受け入れようとする内壁の動きが、スザクの性器全体を抱擁し、
壮絶な刺激を与えていた。

スザクは両手でルルーシュの細腰を掴み、ゆっくりとしかし着実に己の性器をルルーシュに
埋め込んでいった。
波のように押し寄せる快楽に翻弄されたルルーシュの表情は、既に欲情に濡れ、
唇は執拗に仕掛けられたスザクのキスによって赤く腫れ上がり、
さらに飲み込み切れなかった唾液が口の端を伝って、端正な顔を淫らに演出していた。

「はぁ……ぁ…んっ」

ずぶずぶと、ゆっくりとしかし確実にスザクとルルーシュは身を繋げていった。
少しでも奥まで挿入させようと、スザクは自らも腰を使い、下からの突き上げと、
ルルーシュの身体にかかる重力で小刻みに動かしながら、どんどん性器を奥まで
突き刺していった。

「ルルーシュ……すきだよ……」

少しでもルルーシュの身体的な負担を減らそうと、挿入をしながらスザクは
意識を向けさせようと、長く濃いキスを仕掛けた。
そして時折、キスの合間から互いに吐息や言葉を漏らし、互いに身体の熱を高めていった。

「ひぁ……ぁんっ!ふぁ……スザク……スザクっ……!」

やがてスザクの猛った性器がルルーシュの最奥にぶつかり、太股同士がくっつくと、
スザクは漸く唇を解放した。
ルルーシュは少し、怖い、といった声色でスザクの名を呼び続けた。
何回も自分たちはこうして身体を繋げているというのに、いつまで経っても
まるで初めての時のような初な反応を見せるルルーシュ。
スザクはそんな彼が可愛くてしょうがないと言わんばかりに、再びその唇を
深く貪った。

「ん…ん……んっ…」
「ルルーシュ……好きだ…」
「スザク…っ…」
「もう…平気……?動くよ…」

最初は痛いくらいにスザクの性器を締め付けていたルルーシュの内壁が、
時間をかけていくうちにだんだんと馴染んでいくのを感じたスザクは、
互いに絶頂を目指すべく、深い律動を開始しようとしていた。

「は……ぁ…!」

座った姿勢のまま、ルルーシュの細腰を掴み、重力の力も借りつつ、がつがつと
激しく挿入を繰り返した。
途端、電撃が走ったかのようにびくりと身体を震わせ、後ろにのけ反らすルルーシュ。
さらさらと、さわり心地のよい黒髪が舞い、汗の滴が散って光った。

「ルルーシュ…今日、は…いつもより…感じてるっ…?」

激しく身体を上下に揺さぶりながらスザクは余裕のないルルーシュに問いかける。
スザクにも刺激が強いのか、その言葉は途切れ途切れだった。
しかしルルーシュは、今の状況でこの質問にまともに答えられるはずもなく、
ただただびくびくと身体を震わせながら、頭だけをこくこくと前後に傾けた。

「うん……、すごく…ルルーシュの中…熱くて…気持ちいい…よっ」
「ぁ…っ!あ、は…ぁっ!」

そんなルルーシュの素直な反応が嬉しくて、スザクはより一層己のルルーシュに対する
欲情が高まっていくのを感じた。
視界に入ってくる、淫らなルルーシュの姿、声、そして身体のあらゆる部分から感じる熱の
その全てが欲しい、という独占欲が全身に満ちるのをスザクは感じていた。

「ん……スザ……もう…は…ぅ」
「うん、僕もだ……」

熱っぽい息を吐きながらスザクに自分の限界を訴えてくるルルーシュ。
その言葉を受け止めると、スザクはずっと続けていた律動を一旦止め、
目上にあるルルーシュの顔を引き寄せて、
本日既に何回目かわからない、熱い口づけをした。

くちゅくちゅと、舌と舌が積極的に絡まり合う、深くて甘いキス。
スザクはルルーシュの背中を抱きしめ、また、ルルーシュもそれに答えてぎゅ、とスザクの肩を抱いた。

やがて濃厚なキスが終えると同時に、スザクは腰の動きを再開し、
ルルーシュの身体の奥の奥を暴いていくような、そんな激しい挿入を繰り返した。
律動に合わせて、既に悲鳴に近いようなルルーシュの嬌声が響いた。もう絶頂は目の前だった。

「ふ……あぁ…、あっ…ひああぁっ!」
「ん…っ!」

最後に止めとばかりにぐり、とルルーシュの前立腺を的確に擦りつつ、最奥まで挿入すると、
ルルーシュは全身を大きく震わせて達し、スザクもまた
それとほぼ同時に濃厚な白濁をルルーシュの中に吐き出した。

怒濤の情交が終わり、スザクがゆっくりと性器を引き抜くと、ルルーシュは
疲労の所為かすっかり力が抜け、スザクが支えていなければ後ろに倒れてしまうほど
だらりと腕を垂らし、まるで魂が抜け落ちたかのような状態になっていた。

「よい、しょ…」

そんなルルーシュを労るようにスザクはゆっくりとベットに横たわらせると
汗でびっしょりになったルルーシュの額に張り付く前髪を除け、
小さく音を立ててキスをした。
そして、何かを思い出したかのようにいそいそとルルーシュから離れ、
ベットから降りてどこかへ行ってしまった。

ルルーシュはぼんやりと、半分夢の中に入っているようなあどけない表情で
そんなスザクを眺めていた。

やがてしばらくするとスザクは再びルルーシュの前に現れ、
眠りに落ちてしまいそうなルルーシュを覚醒させるためか、頬にすっと手を添えた。

「スザク…?」
「これ、君に渡したかったもの」

そう言われてルルーシュがスザクの手元に視線を移すと、
そこにあったのは、小さな紫色の小箱。
それがルルーシュには何だかわからず、しばらくきょとんとその小箱を見詰めた。

そして、ルルーシュの頬に添えられていたスザクのもう一方の手が、その小箱を開いた。
そしてそこにあったのは、シルバーの二つの指輪だった。

「こ…れ……」

それを見て、ルルーシュは一瞬わけがわからず、視線をぱっとスザクに移した。
すると、スザクは何も言わず優しくルルーシュに微笑みかけていて、また胸が跳ねた。

言いようのない、あらゆる感情がこみ上げてくるのをルルーシュは静かに感じていた。

「僕はもう、君を守り通すと誓える年齢になったから……」

そう言ってスザクは、まるで本当に結婚式の儀式のように、ゆっくりとその指輪のひとつをとり、
ルルーシュの白く細い指にはめた。
そしてそのままその手を取り、甲に誓いの口づけをした。

「ルルーシュ、今日は、本当にありがとう。あれ、全部食べていいよね?」
「ああ、一滴も残さず食べろよ」

そう言ってルルーシュがにたりと笑みを浮かべると、スザクはくすっと笑った。
そのまま二人は、何が面白かったのか、しばらく笑い合っていた。


「誕生日おめでとう、スザク」


ぽつりと、零すように言った言葉を、スザクは満面の笑みで受け止め、ありがとう、と返した。















07.7.10 踏桜




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