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2010


「…お兄ちゃん」 
 
 
顔を上げると今にも泣きそうな顔をしたレンがこちらを見つめていた。 
 
まだ痛む頬をひきつらせ「大丈夫」っと言うと泣きながら蹴られて痛みの引かない腹に抱きついてきた。 
 
「カイ兄、もぅ居なくなったら嫌だよぉ!!」 
 
「??大丈夫だょ、僕は居なくならないから」 
 
レンの言葉が引っかかる。 
 
”もぅ居なくなったら…” 
 
 
どういう事だろう… 
 
「煩いな、KAITO、レンを黙らせなさい!!」 
 
KAITOの思考を遮ってメイコが声を荒げてきた。 
 
「は、はい。レン、もぅ大丈夫だから、泣かないで??ねっ??」 
 
なんとかレンを泣きやまそうとするが、ぎゅっと服を掴んだままレンはなかなか泣き止まない。 
チラッとメイコを見ると苛立ちが現わで思わずビクッとなり体が竦む。 
 
「お願いだから、レン泣き止んで??」 
 
 
背中をさすりながらレンを落ち着かせようとしているとレンの小さな体がぐっと持ち上がり密着していた2人の間に隙間が出来た。 
 
「痛いよぉ!!」 
 
「黙りなさい!!いつまでもいつまでも!!」 
 
「痛い!!カイ兄!!助けてぇ」 
 
 
レンが引き摺られ自分からどんどん離れていく… 
 
レンガアブナイ… 
 
そう思うより先に体が動いていた。 
 
 
ガバッとレンを抱きかかえメイコに背を向けた。 
 
「レンは何もしてないよ、止めてあげて」 
 
レンの頭を右手で抑え体にすっぽり覆って庇うKAITOが面白くないメイコ。   

 
「またそうやって邪魔をする…また壊されたいの??KAITO!!」 
 
手を振り上げたのが背中越しで伝わる。 
 
あぁ…また叩かれる… 
 
ぎゅっと目を瞑り訪れるであろう痛みに構えるがいつまで経っても痛みはこない…  
 
「もういいだろう、メイコ殿」 
 
フッと後ろを見るとガクポに振り上げた手を抑えられたメイコがいた。 
 
「…離しなさい、ガクポ」 
 
凄みをきかせたメイコに言われガクポが手を離すとメイコは何処かへ行ってしまった。 
 
「大事ないか??KAITO殿」 
 
「うん、ありがとう…レン??大丈夫??」 
 
レンの無事を確かめる様に起き上がろうとするがレンはぎゅっと抱きついたまま離れない。 
 
苦笑しガクポをみるとやはりガクポも苦笑しガクポはレンの頭を撫でた。 
  
 
「レン殿、もぅ大丈夫でござるよ??」 
 
俯いていたレンがガクポの言葉に顔を上げる。 
 
また泣き出しそうなレンを二階の部屋にガクポと一緒に連れて行った。 
 
 
 
レンを子ども部屋に寝かせガクポと部屋に戻る。 
 
ガクポなら知っているかもしれない… 
 
レンとメイコが言った言葉の意味を… 
 
 
「あの…ガクポ…さん、」 
 
KAITOの呼びかけにガクポが振り返りこちらを見た。 
 
「レンやメイコさんが言ってた事なんだけど…」 
 
「…貴殿はそれを知って何とする??」 
 
…長い沈黙が流れる。 
 
知ってどうするって… 
 
「…ただ、知りたいだけです…」 
 
また俯いてしまう… 
 
ガクポの顔が見れない。 
スッと立ち上がりKAITOの肩をポンと叩きガクポは 
 
「なら知らない方がいい」 
 
とだけ言い部屋を出た。 
 
 
僕は前にも此処にいたの?? 
 
何故記憶が無い?? 
どうして??… 
 
そんな事を考えているうちに日は西へ落ちていた。 
 
考え込むのはKAITOの悪い癖だ。 
 
気がついた時には窓の外は薄暗くなっていた。 
 
「…こんな時間になってたんだ…」 
 
壁に掛かっている時計はもぅ7の数字をさしていた。 
 
「お風呂…行こうかな」 
 
今朝のミルクが髪の毛にこびりついて固まっていたのを思い出し浴室に向かう。 
 
やっと見つけ出し服を綺麗にたたみ、浴室に入った。 
 
誰もまだ入っていないらしく、風呂には水が張っていた。 
 
仕方なくシャワーを使い髪を洗う。青色の綺麗な髪の毛が水に濡れ濃さが増す。 
 
一通り洗い出ようとした時、脱衣場に誰かが入ってきた。 
 
いや、誰かではない…メイコだ。 
 
躊躇なく浴室の戸を開けKAITOをひっぱたいた。 
 
浴室にパンッと音が響く。 
 
「朝のお礼、してなかったから」 
 
朝??レンを庇った…から?? 
 
「けど、レンがかわいそ…ひっぃっ、」 
 
平手ではなく今度は拳で殴られグラッとよろめき、その場に倒れ込んだ。 
 
グッと強い力で髪を掴まれ水の張った浴槽に顔を浸けられる。 
 
「可哀想??馬鹿ね!!レンに手を上げるとでも思ったの??」 
 
苦しい、息…が… 
 
バタバタと暴れ、errorが起こる寸前で肺に空気が送り込まれた。 
 
「がはっ、げほっ、」 
 
「お仕置きよ??KAITO」 
 
そう言うと濡れたタオルで両腕を後ろから縛られ四つん這いになるよう体を床に放られた。 
 
体が震える…寒いからじゃない… 
 
怖い…メイコが…怖い 
 
 
「フフッ…さぁ、後ろを綺麗にしましょうか」 
 
そう言うとシャワーのベッドを外し窄まりへホースを押し当ててきた。 
 
「ひっ!!嫌、嫌だ!!やめっ、いやぁぁあっ」 
 
滑らず抵抗する後孔…それでもメイコは力ずくで押し込みある程度奥にいくと手を止めた。 
 
「はっ、あぁ…ぬ…いて、メ…コさん」 
 
「何言ってるの??止めるわけない」 
 
「そ…な、っ!??ひぁぁぁぁぁあ"っ!!」 
 
下半身に物凄い圧迫感が押し寄せてくる。 
水が後ろの中を満たしていく… 
 
 

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