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お味はいかが?*



本日の火薬委員会の活動内容は煙硝倉の大掃除と倉整理

大掃除はタカ丸さんとお掃除大好きな伊助に任せ、俺と三郎次は倉整理を担当した

しかし、全ての授業を終え夕刻から活動を始めた為、ようやく中盤の作業が終わった時刻は五つ下りだった

流石に下級生の二人を残すのは可哀相に思い、それぞれの役割を切り上げて長屋に帰ってもらった

うちの委員会は会計委員会のように深夜にギンギンに鍛練や帳簿を数えたりはしない

忍としては、その方が修行になるのだろうけれど、まだ1年生と2年生だしと甘やかしてる所もある

だから、ヘタレ委員会だのそんなことで委員会だの言われてしまうのだが


春先の煙硝倉は、幾分まで熱気が篭っていたが二人が減り、タカ丸さんも夜食を持ってくるだとかで現在は俺一人だけで、倉の中は冷たい空気に変わっていた

火薬の入った木箱や壷を床に放り投げ、乱雑した状態でタカ丸さんは行ってしまった

冷えた手指に息を吹き掛けながらタカ丸さんが戻ってくるのを待ち侘びる


「兵助くーん!ごめんねー」


そこに、盆を両手で持ちながら、小走りで倉の中にタカ丸さんが入って来た

たぶん、盆の上に乗っかっているものを落とすまいと必死になっている為、下の集中力はお留守になっていて乱雑した火薬に気付いていないだろう


「タカ丸さん、気をつけ…」

「え?あ…!」


タカ丸さんに注意を払おうとしたが、遅かった

ガシャンと大きな痛々しい音が煙硝倉に響いた


「タカ丸さん!大丈夫ですか!?怪我は!?」


俺はタカ丸さんに駆け寄った


「僕は大丈夫だけど、せっかく持って来たのに…これじゃ台なしだ」


とタカ丸さんはしゃがみ込んでしまった

火薬の匂いに混じって、何か他の匂いがする

甘ったるくてふくよかな良い匂い


「もしかして、甘酒?」

「うん…」


いつも朗らかに笑っているタカ丸さんが珍しくしょげ込んでいて、俺はどうしたらいいもんか慌ててしまった

火薬の箱に甘酒が掛かって、壷もタカ丸さんが躓いた拍子に粉砕してしまったからもう使い物にならないだろう

一石に二鳥も台なしになっては、落ち込むのも仕方ない


「と、とにかく。片付けましょう。立てますか?」

「う、うん。ごめんなさい…」


タカ丸さんに手を差し出して、再び何か違和感を感じた

タカ丸さんの手に触れたら、何かねっとりとした液体も一緒に付いてきた


「せっかく、兵助君に飲んでもらおうと思ったのに、火薬もダメにして、本当僕って鈍臭い。服も甘酒で汚れちゃったし…」

「大丈夫ですよ、甘酒ならここにありますから」

「え?」


俺は手に付いた液体をぺろりと舐めて笑って見せた

そして、タカ丸さんの手を再び取り、一舐めした


「ひ、ゃっ…!?へーすけ君、何、するの?擽ったいよ」

「何って、タカ丸さんから甘酒を貰ってるんですよ?」

「甘酒?ひゃ…擽った、ていうか、手汚いし、ダメだよ」


俺はタカ丸さんの手に付着した甘酒を丁寧に舐め取ってあげると、本当に擽ったそうにして頬を紅潮させていた


「タカ丸さんは汚くないですよ?でも、手だけじゃ足りないですね…」

「え?兵助君?」


俺はタカ丸さんの前に座り直して、忍び装束の開けた胸元にも白濁した液体が付着しているのが見えた


「甘酒くれるんですよね?」


そう意地悪く笑って、タカ丸さんの胸元に顔を埋めて執拗に舐め始めた


「や、やだ…へーすけ君、違…、そんなに甘酒飲みたいなら、また、貰って、くるから…、や…ぁあ」

「俺はこれで十分です」

「う…あっん…」


手指とは違って擽ったいという感覚とはまた別の感覚がタカ丸さんを襲っていた

先程の擽ったげな声色から甘美な声質に変わっている


「俺だけ甘酒を堪能してるのは申し訳ないですね、タカ丸さんも…」

「へ!?僕はいい…、んんっ!」


俺はタカ丸さんの唇に接吻を落として、先程味わった俺の舌をタカ丸さんの舌に絡ませた


「んん…っ」

「どう、ですか?」

「わ、わかんないよ…」

「もっと欲しいですか?」

「い、いいよ!もう十分!それより早く片付けないと…」


顔を真っ赤にして必死になるタカ丸さんが可愛くて、つい笑ってしまった


「も、もー!兵助君、からかったでしょー、酷い」


頬を膨らませてそっぽを向いて怒る姿もとても年上とは思えない程愛らしく思えた


「タカ丸さんがいけないんですよ?」

「う…、だから、早く片付けようよ」

「そうですね、早い所残りを片付けて…続きしましょうか?」

「え?続きって…」

「俺はまだ甘酒飲み足りないので、ね?」



お味はいかが?






コレ生温いからR指定じゃないですよね?

この後、タカ丸さんは兵助君の甘酒を頂くことになります(あとがきがR指定という罠!)





あきゅろす。
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