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ドラマCD二の段「お豆腐大好きの段」の続編


綾タカ←くく?くく→タカ←綾?でドラマCD二の段「お豆腐大好きの段」の続編

ドラマCD二の段をまだご購入してない方、聞かれてない方はネタバレを含んでおりますのでご注意下さい







「う、うわぁぁあ、助けてぇー」


僕は思わず逃げ出した

もういい加減豆腐語りから解放されたい

小一時間は永遠聞かされていた

久々知君はとても優秀で優しくて格好良くて忍たまとして尊敬している

けれど、僕は期末試験の勉強がしたいのに久々知君は豆腐語りからなかなか離してくれないし

期末試験の内容よりも豆腐の無駄な知識が僕の脳内を占拠されそうだった


「タカ丸さん?」

「あ…、綾部君、助けてぇ〜」

「どうしたんですか、そんなに疲れて、怯えて」

「タカ丸さぁーん、どこですかー?」

「う…、き、来たぁ…!」


土塗れな制服姿から蛸壷掘りから帰って来たであろう綾部君の後ろに隠れた


「あ、タカ丸さーん、これからが良いところだったのに」


しかし、すぐに見付かってしまった


「これからが…良い、ところ?それはどういう意味ですか?久々知先輩」

「ん、綾部?」


綾部君は久々知君の台詞を聞いて何だか雰囲気が急に凍り付いた


「俺とタカ丸さんは期末試験の勉強をしている最中なんだ、さぁ、タカ丸さん行きましょう」

「うぅ…」

「タカ丸さんはどうやら行きたくないようですよ」

「タカ丸さん、行きましょう?」


僕は差し出された久々知君の手をなかなか取ろうとしなかった


「えっと…あの、本当に期末試験の勉強教えてくれる?」

「もちろんです」

「それなら、私がタカ丸さんに試験の勉強を教えて差し上げます」

「え?本当?」

「はい」


綾部君自ら僕に試験勉強を教えてくれると言ってくれるなんて、僕は綾部君にきらきらとした目線を送ると綾部君も笑ってくれた


「ちょ、ちょっと、待って下さい、タカ丸さん!」


そうだ。もともと、僕から久々知君に試験勉強を教えて欲しいと頼んだのに綾部君に教えてもらうのは久々知に申し訳ないよね


「あ…、うん。綾部君、やっぱり久々知君に教えてもらうから、ありがとう」


ちょっと残念だけど、久々知に試験勉強を教えてもらおう

試験勉強を教えてもらうお礼として豆腐語りを聞くっていうのも仕方のない事だし、久々知君は悪気はないんだから


「タカ丸さん、嫌なら行かないで下さい」

綾部君にぎゅっと腕を握られて、気が付いた

綾部君にも助けを求めておいて久々知君に勉強を教えてもらうのは綾部君にも悪い…ああ、もう、どうしよう


「「タカ丸さん!」」

「うぅ…」


二人に挟まれて二人の勢いに負けそうになる


「じゃ、じゃあ…、二人にお願いするってのはどうかな?」

「綾部と?」「久々知先輩と?」

「そう」


二人はうーんと悩んで「良いでしょう」と答えた

そして、僕の部屋に移動して早速久々知君と綾部君に試験勉強を教えてもらうことになった

僕は編入生だから一人部屋を使わせてもらっている

一人部屋ってのは気を使うこともなくこうやって人を呼ぶ事ができるから楽なのだけど、同室者がいれば試験勉強や宿題の時に相談したり教わったり出来るから楽だろうなぁと思う


「じゃあ、さっきの続きから始めましょうか」


久々知君が最初に口を開いた

さっきの続きって…まさか豆腐の歴史?

僕は反射的に身体を震わせた


「さっきの続きって…久々知先輩、タカ丸さんに何をしたんですか?こんなに怯えて」

「は?俺は別に…って何タカ丸さんにべったりくっ付いてるんだよ!タカ丸さんが勉強しにくいだろ、タカ丸さんこっちに来て下さい」

「え…あ、うん?」

「タカ丸さん、久々知先輩の側になんか行ったら何をされるかわかりませんよ?危険です」

「えぇ?」

「危険だなんて、失礼な奴だな!綾部こそいい加減タカ丸さんから離れたらどうなんだ?俺はタカ丸さんに期末試験の勉強を真面目に…」

「期末試験には豆腐の事は出ませんよ?」

「わかってるよ。さっきはタカ丸さんと豆腐について語ってただけだ」

「タカ丸さんは嫌々ながら久々知先輩の豆腐語りに付き合ってただけなのを知らないで、ああ、タカ丸さんはなんて可哀相なお人だ」

「はぁ?タカ丸さんはな、数少ない豆腐仲間なんだ!全くタカ丸さんのことを知らないで」

「ちょ、ちょっと…二人共、喧嘩しないで…」


ていうか、試験勉強したいんだけど…

そして、いつから僕は久々知君の数少ない豆腐仲間になったんだろう…







本当にドラマCDご馳走様でした





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