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五六年でタカ丸争奪戦



五六年でタカ丸争奪戦



なぜがどうなって、忍術学園最悪最恐の六年生達と私の恋人を取り合わなければならないのか…

それは、毎度毎度はた迷惑な思い付きをする学園長が原因だったりする


「斎藤は元は私達と同い年なのだから私達六年生と共にあるべきだ!」

「いいえ!タカ丸さんは編入生なので六年生方の高度な忍術にはついていけないと思います。我々五年生と共にあるべきです!」


夜更けの保健室に10人もの上級生が集まって斎藤をどちらの学年が引き取るか討論が始まった

まずはギンギンの潮江先輩と竹谷が互いに言い分を話す


「それに、タカ丸は1年生よりも忍術が下手なんですよ。六年生方の足手まといになるのは目に見えてます。」


そう、斎藤タカ丸は元は見習い髪結い師で六年生と同い年だが、四年生に編入し、忍術を学び出したのもここ数ヶ月、当たり前だが1年生よりも忍術が下手なのである

そのタカ丸の忍者、忍術経験不足を補う為に、五年生と六年生が言い争いになっていると言っても過言ではない

学園長の思い付きと言うのが、斎藤タカ丸を上級生の実習に連れて行き、忍者経験を増やして欲しいというものだ

五年生、六年生どちらが連れて行っても構わない、両学年で相談して決めて欲しいとのことであった

相変わらず面倒臭いことは忍たま任せな学園長である


「ほう、久々知。自分の恋人をそのような扱いとは感心せぬな。しかも、お前と実習に行かせては緊張感のかけらもない、腑抜けた実習になりかねん」


う…、どんどん五年生が不利になっていく

流石、立花先輩、鋭いところを突くのが上手い

すると、五年の口達者な鉢屋が反撃に出る


「五年と六年では実習のレベルが違い過ぎます。ここは、いきなり高度な六年生の実習に参加させるよりも五年生の実習に同行させた方が良いのではないですか?」


それもそうだ。六年生の実習はタカ丸には酷過ぎる。


「心配ご無用。斎藤には戦いには参加させないから問題ない。我等の高度な術で斎藤を守るのだからな」


しかし、すぐに自信満々に七松先輩に返された。


「言わせて頂きますが、これは実習ですよ?タカ丸さんにも戦ってもらわなければ意味がないでしょう」


雷蔵が呆れたように言い返す。実習なのだから参加させないのは意味がない


「しかし、見学させるのも忍術の勉強になると思うぞ」


そこに、けまけましく食満先輩が口を挟む


「そうだ、そうだ。私達の実力を持って斎藤に指一本触れさせなければ良いじゃないか」


実力行使か脳みそも筋肉の暴君め


「私達五年生にだってタカ丸さんを守る実力くらいあります」


竹谷のこの一言に六年生全員の目がぎらりと変わった


「ならば、私達よりも強い事を証明出来たら、安心して君達に斎藤を任せようじゃないか」


私達にタカ丸を任せる気なんてさらさらない癖に飄々と宣戦布告言したS法委員会の委員長

しかし、ドSには負けられない。というか、この人達に任せたらタカ丸が危険だ。敵から守るどころかタカ丸の身が守れない


「良いでしょう。その勝負受けて立ちましょう!」

「表に出やがれ、キャラ層の薄いヘタレ学年!」


うっさいわ、このギンギンしか言えない卑猥発言野郎!!…なんて事は口が裂けても言えないが

タカ丸の為に下剋上だ!

こうして、五年生と六年生のタカ丸争奪戦が幕を開けた



翌日、学園長からタカ丸を同行させる上級学年が発表された


「五、六年の実習が延期になった為、斎藤タカ丸は四年生の実習に参加することとする」


最初からそうしてくれ…






長次はいつも通りの無口で参加。伊作は保健室を提供し出番終了。

延期になった理由、争奪戦の勝敗はご想像にお任せします。






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