01 「全員揃ってますねー。それじゃあSHRはじめますよー」 黒板の前で微笑む男性副担任の山田真耶先生。 身長は低くて、私とそれほど変わらない。 しかも、服もサイズが少し大きめなのか、だぼだぼしている。 眼鏡も少し大きめだろうか。私よりも女の子っぽく見える。 「それでは皆さん、一年間よろしくお願いしますね」 「………」 けれど教室内は、変な緊張感に包まれていて、誰からも反応がない。 「じゃ、じゃあ自己紹介をお願いします。出席番号順で」 少しうろたえる副担任、山田先生がかわいそうなので、せめて私は反応してあげようと思ったけど、そんな余裕は私にはない。 なぜか。 簡単なこと。 私以外のクラスメイトが 全員男子だから。 今日は高校の入学式。新たな世界のはじまり。その初日。それ自体はいい。むしろ喜ぶべきところだろう。 だがしかし、問題はとにかくクラスに女が私一人という点だ。 今、クラスメイト全員の視線が私に集まっていることがわかる。 大半、席のせえ。 真ん中&最前列ってめっちゃ目立つよね。最悪だよね。 こうして、私の高校ライフははじまった。 [次へ#] [戻る] |