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notting
重症。


・唯のバカップル









「リク、リク、リク」


犬みたいに連呼される名前は俺の名で。

音はひどく穏やかで心地いい。


「なんだよ。」


片眉を少し上げて、素っ気なさを装う俺のなんとも演技かかった声は居場所がない。


一回で十分なんだよって言えないのは、綺麗な口から発せられるお約束のように少し低めの綺麗な声が好きだから。


発せられた文字が特別であれば特に。


早い話が、俺の名を呼ぶこいつが好きだから。


「呼んでみただけ」

「うざっ」


いい加減にしろよ。


溶けるんじゃないのか、と思う程、目の奥から滲みでる光は甘さだけで、見てるこっちが溶かされそうになる。

俺から反射的にでた素っ気ない台詞も、見透かされてるみたいに綺麗に溶けてった。

嫌いじゃないんだ、この目に溶かされてくみたいなこの感覚も。



「ひどっ」


俺の言葉に抗議しながら、雰囲気一つ変わらない。



酷いのはどっちだよ。


こんなベタな展開一つにだって、愛しさを感じるほど俺を甘やかした癖に。


もう降参。


両手を挙げて情けない顔の俺の姿はなぜかツボに入ったらしく、一頻り笑ったあと有り得ないくらいの力で抱きつかれた。


本当に、酷いのはどっちだよ。




◇◆◇◆

鼻で笑ってた頃が懐かしい、でも戻りたいとは思わない。










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あきゅろす。
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