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見上げた空は
【4】



教室に戻った梓は、窓際の一番後ろにある自分の机に座って外を眺める。


思わず溜め息が漏れる。


「梓〜、さっきまでどこいってたの?お弁当も食べないで…大丈夫?」


心配そうな顔をして、ポニーテールの女子生徒が近づいてきた。


彼女は小学校入学当時からの友人である白石美緒。


彼が死んで、それこそ生きた屍の様な私を励ましてくれた。


こうしてまた学校に通えるようになったのは彼女のお陰だ。


今では何でも話せるかけがえのない親友。


「ごめんごめん。ちょっと気分悪くて屋上で風にあたってたの。もう治ったから」


「屋上に?…でも無理は禁物だからね!具合悪くなったら直ぐに美緒様におっしゃいなさいっ」


任しなさいっ!とでも言うように、胸を張って笑う。


きっと鋭い美緒の事だ、梓が亡くなった彼─真田凌の事を考えていたのには気付いているだろう。


しかし無理に深追いせず、こういうさり気無い気遣いが出来る彼女は、私の憧れだ。


「ありがとう、美緒…頼りにしてる♪」


梓は素直にお礼を言った。


しばらく2人で喋っていると、授業開始のチャイムが鳴った。





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