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なかよしこよし
放送禁止用語を連呼して喜ぶのは中二まで
「よく考えたら」

会議中。ふと何の脈絡もなく我らがリーダー、高杉さんが口を開いた。

「裸子植物って猥褻物陳列だなァ」
「「「「………は?」」」」

またか、なんてもんじゃない。どっちかっていうとアホか、である。これまた破壊力のある発言だ。
周りを見れば、河上さんは疲れきったような顔、また子はすこしひきつった笑顔だった。っていうか苦笑だ。武市さんはいつもの顔、だけどやっぱりまたひきつってる気もする。

「……いきなりどうしたんですか」
「思わねぇか?」
「思いません。なんでそうなるんですか」
「雄花が花粉をふり散らせて受粉させるんだろ?雄花が人間のピーーーで花粉はピーーーで胚珠が人間のピーーーになるんだろ?剥き出しだろ?」
「どこの中学生の発想ですか」

可哀想に、また子は顔を真っ赤にさせている。こういう話題には慣れてないのか、それとも敬愛してる高杉さんの口からこういう卑猥な言葉が出てくるのに耐えられないのか。
っていうか放送禁止用語なんだけど。
裸子植物より高杉さんの方が犯罪的なんだけど。

「っていうか頭の中そんなことばっかりなんですか高杉さんは。いい年して中二ですか」
「普通は思うだろ。なぁ万斉?」
あ、河上さんに振りやがった。つか逃げやがった。
河上さんはものすごく嫌そうな顔で「拙者もそう思うでござる」と言った。裏切られた。
確かに利口かもしれない、肯定するのは。でも肯定したら高杉さんは、―――


「だってよ、梓。オメーがおかしい」

調子に乗る。
結局今日も私が折れる立場なのか、と思うと頭も胃も痛くなる。
っていうか本当にいい加減にしてくれないか、高杉さん。

「わかりましたよ」

仕方なく、そう、仕方なくそれを肯定したら高杉は笑って部屋を出ていった。うん、多分私を負かせたのに満足したんだろう。

……っていうか、会議の最中だったんですけど。
しかも最初の方は結構重大な内容を話してたんですけど。

「どうします、河上さん」
「どうするでござるか、また子殿」
「どうするっスか、武市先輩」
「裸子植物もそう考えると面白いですね」
「黙れや変態ィィィィィィ!!」

ロリコンのくせにィィィィとか言ってまた子が殴りかかると、ロリコンじゃないフェミニストですだとかなんとか言って武市さんも抵抗し始めた。私と河上さんは目を見合わせると同時にため息をついた。
大丈夫なのか、鬼兵隊。

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あきゅろす。
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