頂き物
6
「……はっ、あぅっ、や、あぁんっ、」
「…ヒナ、いい子だ、」
段々早くなる浩也の腰に、日向の細い足が絡み付く、
「ひゃ、あぁっ…、もっと、ぜんりつせ、してっ…、」
「…大好きだな、ここか?」
「やっ、あ、あっ、奥もっ、奥もしてっ、」
腰を高くあげさせて、突き刺すように日向の中を擦る。
「可愛い、欲張りだな、ヒナは……っ、」
「……ふ、ご、ごめ、なさっ…あっ、あ、あ、」
ぱちゅ、と小刻みに揺さ振られる度に日向がだらしなく先走りを垂らす。
ラストスパートと言わんばかりに日向の奥をえぐって、腫れるように色付いた胸の飾りに歯をたてる。
びく、と身体を揺らす日向に容赦無く自分の欲を打ち付けた。
「…あっ、いた、いたぃっ、あんっ、あ、」
「……ふ、痛いじゃなくて、良いんだろ、ヒナ、」
「……ひぁあっ、あんっ、あ、あっ、出ちゃ、せーえき、あぁあっ!」
びゅく、と白い熱を吐き出す日向、
それでも、浩也はまだ止まらない。
「…え、あっ、こ、やくんっ、やっ、まだ、出てっ、」
「……ごめん、ヒナ…止まんないっ…」
身体ごと揺さ振ると、ぴゅ、と小刻みに出ていく日向の精液。
泣くように喘ぐ日向は抱きしめられながら、ぐちゃぐちゃにされる。
「ふ、やっ、浩也ぁっ、あんっ…、あっ、ぁあっ、」
「好き、ヒナ……好きだ…っ、」
びゅ、と熱い塊のような精液が日向の中を叩く。
ぎゅうっと浩也を抱きしめていた日向の腕がするりと解けて。
小さな胸を上下させて、浩也の唇を感じて、
毒を飲んだ白雪姫のように、とろん、と目を閉じた。
*
「…ヒナ、ごめん、本当ごめん……」
腕の中で小さくなって、布団に潜っている日向に謝る浩也。
こんな明るいうちから、それもあんな事を自分の口から言って……
思い出していく程、恥ずかしくて死んでしまいそうになる。
「……ヒナ、ごめん、」
自分が顔を上げられないのは、怒っているからだと思っている浩也。
元々の自分の寝坊も忘れて、ついつい止まらずに苛めてしまい、最後まで激しくしてしまった。
謝るならやらなければ良い話だが、そもそも浩也にそんな考えは働かない。
日向が可愛くて、愛しくてしょうがなかった、
一番しょうもない浩也の言い訳だ。
「……ヒナ、顔見たい…」
「………や、やだ、」
「…え、う……ヒナ、」
ぐさっと刺さった日向の言葉に眉を下げる浩也。
明らかにしょんぼりした声に、日向が慌てて口を開いた。
「…お、怒ってるんじゃなくて、恥ずかしい…から、」
「………恥ずかしいって…」
ぎゅ、と抱きついてくる日向。
怒っているような口調だが、その行動からして本当に機嫌を害ねたわけでは無い事が分かる。
「…恥ずかしいって、いつもより声が大きかったからか?」
「……え、お、大きく…、」
自覚の無い日向に、違うのか?と浩也が首を傾げる。
「ああ、あれか? 前立腺擦ってとか…「わ、も、もういいですっ! は、恥ずかしいんだから……」
思わず顔をあげた日向の額に、浩也が唇を触れさせた。
子供みたいなキスなのに、ちゃんと、いっぱいドキドキする。
「………もう寝坊もしない、ヒナが言うなら意地悪もしない、」
「……浩也くん…、も、怒ってないから、」
日向の髪に唇をこする浩也。
ひとつひとつ、浩也の暖かい仕草に、幸せで胸が苦しくなる。
「……ヒナ、」
「………浩也くん?」
浩也と目をあわせると、ちゅ、ちゅ、とついばむようなキスをされる。
「…好き、」
「……っ、ぼ、僕も…、」
浩也の腕の中で抱きしめられて、好きだと言われて、当たり前のようにキスをされて、なんだか夢みたいで。
それでも、浩也の微笑んだ顔をずっと近くで見ていたいと思う。
ずっとずっと、隣で………
「……浩也くん、あの、」
「…ヒナ?」
「…一生のお願い……、あの、」
頭を撫でる手を握って、恥ずかしそうにどもる日向。
「……ずっと、好きでいて……欲しいです、」
「…………、」
今までのどんなお願いよりも日向は勇気を出したのだが、なかなか返ってこない浩也の声に、不安がつのる。
もしかして、もしかしなくても自惚れてしまったんじゃないかと焦って、
「……あ、浩也くん、ごめ「ヒナ、それはお願いじゃないだろ、」
「………っ、」
諭すような浩也の声、
いつものように髪を撫でてくれる浩也の手に安心する。
「……それは約束だ、ヒナ、」
「…浩也くん……、」
ぎゅう、と苦しいくらいに抱きしめられる。
苦しくて、苦しくて、離して欲しくないくらい、
……好きで好きで、しょうがない。
寝坊しても、意地悪してもいいから、
ずっと離さないで、一緒に居て欲しい。
一生のお願いだから、
約束を、忘れないで、
優しい約束を抱いて、
抱きしめて、
ずっと、一緒に居て下さい。
END
「……ヒナ、俺寝坊しない方法思いついたんだよ、」
「…寝坊しない方法?」
「ああ、…前日からヒナと居ればいいと思う。 そしたらヒナの事考えて寝れなくても、朝はヒナが起こしてくれるだろ?」
「……………。」
にっこりと自信満々に微笑む浩也。
そんなの、自分が朝動けなくなりそうだという予想は、静かに胸にしまう日向だった。
一生のお願い:おわり(2010.6.13.おかやす)
.
[*前へ]
[戻る]
無料HPエムペ!