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小さな頃から(↑で読めない方用)
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「ごめん、言い過ぎた……そんな風には思ってない、分かって無いなんて言われてつい頭に血が上って……本当に悪かった。」



狡い……と、佑樹は思う。



真っ直ぐな性格をしている亮は、自分に非があると思えば意地を張る事も無くいつも素直に頭を下げて来て結局……佑樹は自分だけが子供みたいに意地を張っているような、惨めな気持ちになってしまう。


それに……売り言葉に買い言葉なのは頭では分かっていても、いつもそう思っているから思わず口から出たのだろうと思うと、分かっていた事とはいえ、佑樹はやり切れない気持ちに包まれた。



―――やばい、泣きそうだ……。



「……分かった。俺もごめん、もう……帰るから。」


これ以上ここに居たら、弱った自分が何か変な事を口走らない自信がなくて、小さな声でそう告げると、それでも手を離そうとしない亮を佑樹は見上げる。



「離して。」


「離さない……何が分かってないか聞いてない。佑樹が喜んでくれないなら……彼女なんか作らなくてもいい……俺にとっては佑樹の方が大事だから。」


―――友達として……だよね?


勘違いしたくなるような言葉を掛けるのは止めて欲しい、そんな風に言われたら……。







「俺は、亮の事を親友だなんて思ってない……。」


もう、どうなっても良いと思った。
これから先、亮に彼女が出来る度にこんな思いをする位なら……好きな相手に気を使わせて、迷惑を掛ける位なら、いっそ気持ち悪いと切り捨てられた方がいい。





―――こんなに、好きになってたなんて……。


堰を切った感情が次から次へと溢れ出し、自分でも止める事が出来なかった。





「亮の事が好きなんだ……恋愛感情で……。」


見詰める視線の先で、亮の表情がみるみる内に強張ってゆく。





「……嘘だろ?」


動揺を含んだ彼の声に、ゆっくりと首を振ると佑樹は微笑みを浮かべた。


「こんなつまらない嘘なんて言わないよ……亮が、好きなんだ。」


「佑……樹?」


腕を掴む指から力が抜けて行くのを感じる。
それが亮の答えなのだと思ったら、心の中で何がが崩れた。




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