【新説】虹色の鱗【モンスターハンター】
17.
179:◆d2hCxOK7H.
02月05日20時51分03秒 M/h03LtrO
(;^ω^)「あばばばば…どんどん突撃してくるおwwwww」
(´<_`;)「これは結構難儀だな…この数じゃ…」
ブルファンゴの猛攻は予想を遥かに上回る程であった。
数匹が息をつく間も無く攻撃をしかけ、侵入者を排除しようとする。ブーンと弟者は彼等の連携の前に為す術無く、徐々に体力を奪われていく。しかし止まることは出来ない。この状態で足を止めることは、すなわち死を意味するからだ。
(;^ω^)「フゥ…ヘェ…い、今だいたい何匹目だお…?」
(´<_`;)「少なくとも五匹は狩っているはずだが…まだ倍はいそうな雰囲気だ……先は長いな…」
(;^ω^)「諦めれば…結構早く決着がつくお…?」
(´<_`;)「…笑えない冗談だな…お前は諦めるのか?」
(;^ω^)「……」
一匹のブルファンゴがブーンの背後に迫っていた。息を荒げ前足で地面の砂をまき上げ、自らにアイドリングをかける。
そして勢い良く飛び出し、猛スピードでブーンの死角から攻撃を仕掛けた。
(;^ω^)「諦める…か……」
ブーンとブルファンゴとの距離が目と鼻の先になった瞬間、ブーンは体を半回転させ、手にしているハンマーで力一杯ブルファンゴの横っ面を殴りつけた。その威力でブルファンゴは吹き飛び、数メートル先へと転がっていった。
(;^ω^)「冗談かお?まだ童貞も捨ててないのに…こんな猪臭い所で死んでられないお…ッ!!」
(´<_`;)「…そうだな、俺も童貞を捨てるまでは…簡単には死なないぞ!!」
ブーンに吹き飛ばされたブルファンゴが起き上がり、再び群れが二人を包囲し始めた。
しかし二人は臆する事無く武器を構えた。
弟者の大剣が空気を裂き、ブーンのハンマーが唸りをあげる。
しかしブーンは気付いていなかった。
自分の持っている武器はハンマーではなく、食糧として持ってきていた上手に焼けた肉だという事を…
180:◆d2hCxOK7H.
02月05日21時13分47秒 xvTxabnPO
(;'A`)「いてぇ…くそ、細かい破片が食い込んでるな……」
ドクオは奥地にある小さなキャンプ跡地で傷を癒していた。持ってきていた傷薬を塗りこみ、器用に包帯を巻いていく。
体に食い込んだ銃弾の破片を小さなナイフで取り出し、傷口の広い部分は自分で縫い合わせていく。しかしその作業には、かなりの激痛が伴う。
(;'A`)「うぐぁッ……!!」
他の獣に見付からないように声を殺し、作業に没頭する。
川 ゚ -゚)「…私も手伝おう。一人ではやりにくいだろう?」
(;'A`)「な…クーッ!?なんでここに……ギコは…どうしたんだ?」
川 ゚ -゚)「一人で大丈夫らしい、さほど怪我も酷くなかった…誰かさんが手加減したお陰でな…?」
(;'A`)「そ、そうか…」
何が起こったのか分からず、ドクオはただ呆然としていた。すると手に持っていた傷薬をクーに奪われ、彼女手で優しく傷口に塗られていく。
(;'A`)「やめろ…血がつくz」
川 ゚ -゚)「…お前は無茶をしすぎだ…こんなになるまで戦って……これではいつか命を落とすぞ?」
( 'A`)「ああ…まあ、俺の命なんて安いもんだよ……それでこの島が守れるんなら…この安っぽい命なんて…」
川 ゚ -゚)「…それでは私が困る…」
( 'A`)「…え?」
沈黙が訪れた。
音も無く包帯は巻かれていき、更に小さな傷口にまで丹念に薬を塗る。その手には優しさがあり、とても「最強の女ハンター」と呼ばれる彼女の姿はなかった。
ただ愛しい人の手当てをする、健気な少女のようだった。
川 ゚ -゚)「…お前が…命を落とす事は、私が許可しないぞ……絶対に…」
( 'A`)「…把握した…」
ドクオは全てを悟った。
悟ったうえで静かに治療をうけ、体力の回復につとめる。そこには甘い言葉や贈り物などは一切無く、ただ静寂が二人の心を通わせていく。それは世界のどんな物よりも繋がっているものだった。
181:◆d2hCxOK7H.
02月06日19時58分01秒 Sb9aW8QVO
(;゚ω゚)「何だこれはおwwwwwハンマーと間違えて使っていたおwwwwwwwwww」
(´<_`;)「馬鹿…でかい声を出すな!!間違えたんなら早くハンマーに持ち直せ!!」
(;^ω^)「そ、それが…どうやら出る時に間違えたみたいで…その……」
(´<_`;)「…まさかお前…」
(;^ω^)「お肉しか持ってきてないお…wwwww」
二人の悲しい声だけが響く。それでもブルファンゴは容赦無く二人を攻めあげ、命を奪おうとしている。ブーンは仕方なく一番大きな肉を手に持ち、ブルファンゴ相手に善戦した。幸運にもその肉は焼きすぎており、適度な硬さをもっていた為、なんとか抵抗する事は出来た。
(´<_`;)「…切れ味が鈍ってきた…これじゃもう切れないぞッ!!」
弟者は血糊の付いたリュウノアギトを手元に引き付けた。何十回にもわたる攻撃の反動だろう。刃はボロボロに砕け、柄の部分にまで血が染み込んでいる。ブルファンゴの血液と、自らの擦り切れた掌からの出血のせいだった。
更に鈍い音が聴こえた。
(;^ω^)「アッー!!」
ブーンの武器の柄の部分、つまり骨付き肉の骨がバラバラに砕け、肉の部分だけが地面へと落下する。
(;^ω^)「し、しまった…今日の晩ご飯がぁぁああぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!」
(´<_`;)「うるさいぞ!!お前はピザなんだから少しはダイエットしろッ!!!」
二人は武器を失い、途方に暮れた。もはやこのまま、ブルファンゴの餌食になるしかない…そう腹をくくった。
だが
(;^ω^)「ななな…なんだお、あの影は…」
(´<_`;)「ブルファンゴが…飛んでいる!?」
183:◆d2hCxOK7H.
02月08日19時27分57秒 Ykf3TTWpO
(;'A`)「ったく…あの馬鹿、声がでかすぎるんだよ!!」
(*^ω^)「ド、ドクオwwwww」
川 ゚ -゚)「確認したぞ…ドクオは右側の奴を、私は中央突破だ」
( 'A`)「まかせろッ!!!」
駆け付けたのはドクオとクーであった。二人はブーンと弟者を発見するなり異常事態に気付き、既に抜刀していた。
目で合図を送り、ドクオは先行しながら一匹のブルファンゴに斬りかかる。血が飛びよろめくブルファンゴに後方のクーが追い撃ちを仕掛ける。
二本の剣で円を描き、目にも止まらぬ早さで乱撃を繰り出し、ブルファンゴを仕留める。見事な連携だった。
( 'A`)「こっちは任せろ…クーは早くあいつらの所へ…!!」
川 ゚ -゚)「わかった…ドクオも無理は…」
( 'A`)「把握したと言っただろ…?無理はしない、生きて帰る…!!」
その言葉に頷き、群れの中央へとクーは駆け出していった。ドクオはその後、比較的に手薄となった群れの右側のブルファンゴへと突進していく。
このような乱戦では、敵の目を分散させる事が最も重要な戦略なのだ。二人はそれを戦いの中で理解しているのだ。
( 'A`)「あいつか…」
ドクオは一匹のブルファンゴに狙いを定めていた。群れから離れ、ブーン達が消耗する様をながめている、この群れのリーダーである。
一際大きな体をもち、落ち着いた様子でドクオと対峙する。こちらを見る目に光が宿り、一つ大きな雄叫びをあげた。
川 ゚ -゚)「大丈夫か?今助けてやるッ…」
クーはブルファンゴの間を縫うように進み、すれちがいざまに攻撃を仕掛ける。正確に急所を射抜き、持てる力の全てをもって各個撃破していく。
(´<_`;)「遅いぜ…もうちょっと早く助けに来てくれ…!!」
(;^ω^)「諦めないで…良かったおwwwww」
二人は顔を見合わせて喜んだ。しかし安心はまだ出来ない。
ここを生き抜いてこそ、真に助かったと言えるのだから。
185:◆d2hCxOK7H.
02月09日07時49分27秒 nY0RuisPO
(;^ω^)「ちょwwwこっちくんなwwwww」
安心しきっていたブーンは驚きを隠せなかった。先程倒したはずの一匹が起き上がり、ブーンめがけて一直線に突進していく。弟者も反応しきれず、その場にとり残される。
(´<_`;)「…!?」
(;^ω^)「じ、人生オワタお…」
その時、聴いた事のある音が聴こえてきた。
何度も耳にしている乾いた炸裂音、風を切り裂き主の元を離れた意思が湿った音と共に着弾する。その意思はブルファンゴの背中から腹部へと抜け、体液を纏いながら地表へとめりこむ。
ξ ゚听)ξ「ブーン、無事なのね…ッ!?」
数メートル先の岩場の上に、銃を構えた彼女はいた。狙いを定め次々と弾丸を発射していく。銃撃をうけたブルファンゴは数発の弾丸を体に埋め込み、その場に崩れた。
(;^ω^)「そ、その声は…ツン?ツンなのかお!?」
ξ ゚听)ξ「話は後よ!!ブーン、受け取ってッ!!」
ツンはボウガンから体を離すと、恐らく担いで来たであろう大きな包みをブーンに投げ渡した。ブーンはそれを受け取り、早速中身を確認する。
( ^ω^)「ペロッ…こ、これは……ブーンのハンマーだお!!」
(´<_` )「でかしたツン!!よし、早く俺の分も投げてくれ…!!」
ξ ゚听)ξ「…何言ってんのよ…持ってきてるはず無いでしょう?」
(´<_`;)「…え…?」
使い慣れたハンマーを手にし、素振りを繰り返す。重量がある分、振り切った時の音も凄まじい。
( ^ω^)「これでブーンも戦えるお…ツン!ありがとうだおwwwww」
ξ////)ξ「ば、バカ…そんな事言ってないで、早く終わらせちゃいなさい…!!」
(´<_`;)「…俺はどうすれば……兄者…」
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