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【新説】虹色の鱗【モンスターハンター】
10.
119:◆d2hCxOK7H.
12月19日20時14分46秒 VixR6YB0O

八人は第三キャンプのそばにある、森の奥地への入り口へとたどり着いた。
境界線を引くかのように石の像が置かれ、その神々しさはまるで結界…聖域のようにも感じられた。

その入り口をくぐり抜けると、八人は各々のチームに分かれ先を急いだ。
このような場合、ハンターは素早く目標を見付けなければならなかった。時間がかかり過ぎてしまうと、態勢を整える時間を与えてしまうのだ。





/,'3 「よし…湖に着いた、この辺で少し手掛りを探すとしよう」


( ´_ゝ`)「…この辺りはよく大猪が出るって話だ…気を抜くなよ?」


(;^ω^)「お、大きいって言っても限度があるお…ブーンのハンマーで一撃だお!!」


震えた声で強がるブーンを見て、その場にいる者は皆失笑した。


ξ ゚听)ξ「あら…頼もしいわね……期待してるわ」


(;^ω^)「き、期待してくれてるのかお…?」


ξ////)ξ「ば、バカッ…そういう意味じゃ…何でも無いわよッ!!」


ツンの態度が、よりその場に笑いを呼び込んだ。殺伐とした狩場の中で、そこだけ和やかな空気が流れていた。

ふと兄者が木々の間に視線をやった。
そこには悠々と歩く、あの蒼いイャンクックの姿があった。


( ´_ゝ`)「見つけた……今日こそ決着をつけてやる…!!」


ξ ゚听)ξ「サポートは任せて…巧くやりなさいよ……?」


/,'3 「まずはツン君が陽動をかけてくれ…その後で儂と兄者が仕掛ける……ブーン君は止めを刺す…一番重要なポジションだが…」


(;^ω^)「大丈夫ですお…巧くやってみせるお…ッ!!!」


120:◆d2hCxOK7H.
12月19日20時39分57秒 Dv4SC1B6O

ξ ゚听)ξ「…いくわよ…?」


ツンがボウガンを構えた。
静かに弾を詰め、狙いを定め、引金に力を注ぎこんだ。

ボウガン特有の高い音を出しながら、一瞬だけ大気が揺れた。

銃口から吐き出された無数の弾は直線的に身を流れに委ね、速度を更に増しながら敵へと向かっていく。
雨が瓦の屋根に当たったような音が響き、次の瞬間には目の前に血の霧を作っていた。
イャンクックの悲痛な叫び声が山肌に反射し、幾重にも重なり続けた。


/,'3 「行くぞッ兄者君…!!!」


( ´_ゝ`)「承知したッ!!」


二人は勢い良く飛び出し、一直線にイャンクックを目指した。既に抜刀しており、いつでも斬りかかる事の出来る状態だった。

しかし、予想だにしない事が起きた。

体中に破片を浴びたイャンクックは怒り狂い、ツンのいる方向へと走り始めたのだ。
ツンは弾を発射した後で、未だ身動きの取れない状況だった。避ける事は出来ない。


ξ;゚听)ξ「あ…し、しまっ……」


/,'3 「ツン…!!」


(;´_ゝ`)「避けろ、避けるんだ…ッ!!」






……


ξ;゚听)ξ「……え…?」



(;^ω^)「ふんがああぁぁぁぁぁぁぁ……ぁおッ!!!!」


ツンは我が目を疑った。
目の前にはブーンがいる。それ自体には、さほど驚かなかった。
ツンが見たものは、自らの三倍はありそうなイャンクックを、ブーン一人で動きを止めていたからであった。


(;^ω^)「ブーンは…ブーンは…ッ!!!」


足に力を込め、踏ん張りながら叫んだ。今までで一番大きな、そして強い意思のこもった声で、ブーンは叫んだ。


(;^ω^)「ブーンの…仲間に手を出すなおおおぉぉぉぉ…ッ!!!!」


122:◆d2hCxOK7H.
12月21日07時22分13秒 vUc+TTQDO

イャンクックの体当たりを一人で止めたブーンだったが、その代償は小さなものでは無かった。


(;^ω^)「おおおぉぉぉ…おおッ!!」


ブーンの持っていたハンマーの柄にヒビが入り、骨が軋むような音が聞こえてきた。
長い戦いを続けてきたせいもあって、かなり消耗していたのだろう。ハンマーは大きな音を立てて、ただのサボテンへと姿を変えた。


(;^ω^)「し、しまったお…これじゃ武器が…!!」



ξ;゚听)ξ「ブーン、そこをどきなさいッ!!!」


ツンの叫びとともに、一発の弾丸が銃口から飛び出した。
その弾丸はイャンクックの翼に命中すると、間もなく大爆発を起こした。強力な火薬をふんだんに含んだ弾の爆発音は大地を揺るがし、イャンクックの聴覚に重大なダメージを与えていた。

徹甲榴弾

現在はほとんど使われていない、使い所の難しい弾丸であった。

イャンクックは聴覚に優れた飛竜である。耳元でそんな巨大な爆発が起これば、たちまちその音がイャンクックの三半器官を刺激し、昏睡させる。

/,'3 「今が好機だ、畳み掛けるぞッ!!」


( ´_ゝ`)「言われなくても…!!」


昏睡状態に陥ったイャンクックに足を向け、この好機を逃すまいと二人は駆け寄った。
イャンクックはバランス感覚を失っており、フラフラとその場で立ちすくむしか出来なかった。そこをまず兄者が袈裟に斬りかかり、荒巻は足に対して乱れ斬りを実行した。

/,'3 「双剣の威力、とくと味わうといい…!!!!」



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