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キス☆キス 終

「お前、本当に大丈夫か…?」


宍戸は伺うように、長太郎を除きこんだ。

顔は妙に火照っているし、息…というか鼻息が荒い。


「だ、大丈夫ですよ!!ほら!!」


そう言って、何度かジャンプしてみせる長太郎。
それを見て、宍戸は少し呆れたように笑った。


「ったく、何度も言うけど、無理すんなよ?たまには心配くらいさせろ」


そう言った宍戸の頬までもが火照っているように見えたのは、もうすぐ沈んでしまう夕日のせいか。


いつもは宍戸を送った後に一人で歩く、自分の家への帰路。



今日は、二人。



なんだか、そんな事がひどく幸せに感じて、長太郎は空を仰ぎながら微笑んだ。


これが一ヶ月記念ってのも悪くないな…なんて事を思いながら。


でも、もう少しだけ…


そう思って、長太郎は宍戸の手に少しだけ触れる。



「あっ、わ、わりぃ…」



そう言って、手と手に少しだけ距離を取る宍戸の頬は夕日のせいなんかじゃなく、朱色に染まっていて。


「……少しだけ…」


長太郎は逃げた宍戸の手を捕まえて、小さな子供同士がするように手をつないだ。


その繋ぎ方に恋人間にある様な甘い空気はなかったが、今まで知らなかった幸福感があった。


「へへっ、俺、すごく幸せです」


なんとなく、キスという形と欲に拘っていた自分が恥ずかしくなるくらいに。


「ん……」


そんな宍戸の照れを隠した小さな返事が愛おしくて、握る手に少しだけ力を入れた。


それに長太郎よりも控え目な力が帰ってくる。




幸せをずっとかみ締めていたくても、時間はやってくる。


気づけばそこはもう、長太郎の家の前で。



「今日は早く寝ろよ?ちゃんと風呂に入って、あったかくして」


まだ体調を崩していると思っている宍戸は、いつもは長太郎が言うような言葉を並べる。


それがなんでかくすぐったくて、長太郎は頬をかいた。


「大丈夫ですよ。体調なんて崩してませんから。本当ですよ?」


心配そうな表情の宍戸をなだめるように言った。


「でも、きつそうだったぜ?今はだいぶ落ち着いてるみたいだけど」


「えへへ、実はあれ宍戸さんに欲情していたというか…」


「………!?よ、欲情!?」


宍戸の顔が一気に赤く染まる。


「今日で俺たち一ヶ月でしょう?だから、キスしたいなって」


宍戸は顔を真っ赤にして目を見開いたまま、口をパクパクさせている。


「あ、でももういいんです。手もつなげたし、俺、一緒にいれるだけで幸せですから」


笑顔で、長太郎は言った。本当に幸せそうな、宍戸といる時にいつも見せる笑顔で。


「ふふっ、宍戸さん真っ赤ですよ?」


今度はからかうように笑うと、フリーズしていた宍戸が我に帰る。


「ば、ばっか!お前が変なこというからだろ!!あー!!!もうホントばか!もうさっさと帰って寝ろ!!」


その赤い顔を隠すように、背中を向ける。


「へへへ、宍戸さん可愛い。じゃあ、また明日、学校で」


宍戸のことだ、あんまりからかいすぎるのも良くないだろうと判断した長太郎は、宍戸の背中に軽く頭を下げて家の門を開けた。


背中に宍戸が歩き出す音が聞こえる。


それは次第に遠ざかっていき…













「長太郎!」


遠ざかっていったと思った足音が、凄い速さで戻ってきたと思ったら、次の瞬間、頬に柔らかい感触が。


その感触が宍戸の唇だと気づいたのは、それからすぐだった。



「い、一ヶ月記念だからな!」






長太郎が顔を見る前に走り去っていった宍戸の耳は少し遠くからでも分かるくらい、真っ赤だった。





それはディープキスよりも甘い甘いキス。

優しくて溶けそうで柔らかいキス。






長太郎の第三段階はある意味…成功?ってことにしておこう。









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と、言うことで、かなり時間をかけて書いたのにこんなできっていうね( ´・ω・`)はははー

いつものこといつものこと( ´・ω・`)はははー

いつものこととか思ってちゃだめだぞ私( ´・ω・`)はははー


もうね、みどり様にほんっとすばらしいリクエスト頂いたのに、なんか宍戸が全然天然じゃないっていうねorz


あっれーおっかしいなー
宍戸君、天然じゃないじゃんーってね( ´・ω・`)はははー


みどり様ごめんなさい( ´・ω・`)はははー


天然について勉強してからもっかい出直しまっす!!!


4000番リクありがとうございました!!!


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