ハッピーエンドバースデー
 

『えーごほん。
このたびは師匠なんかの誕生日パーティーに参加してくださりありがとうございます。
てか人数少なくて正直ビビってます。
人間少なすぎてセルティに頭下げて参加してくださいお願いしますと頼んだのは良い思い出です。
てか帝人くんも沙樹ちゃんも来てるのに紀田くん来ないとかどれだけ臨也さんのこと嫌いなんですか?紀田くん。
てか師匠の誕生日パーティーなのに師匠の知り合いがあまりに集まらないので何人か僕の友達呼んでます。
別に参加費用とかないのに参加希望がありません。
どういうこと?馬鹿なの?死ぬの?
……すみません。言葉が乱れました。
そんな中、場所を提供してくれたサイモンさんには感謝感激です。
いやー素敵な寿司ネタですね!
というわけで少人数パーティーですが、皆様楽しんでいってください。
棚戸凉梨からでした。
カンパーイ!』


グラスが鳴る音がする。


「やっほー凉梨ちゃん!」


狩沢さんと遊馬崎さんがすでに赤らんだ顔でグラス片手に呼んできました。

狩沢さんはどこかのアニメのピンクのふりふり衣装。

明らかにコスプレだ。

仮装大会じゃないんですから。

目に痛いそれがまたあつらえたかのようによく似合っています。


「クラスのみんなにはナイショだよ?」
「大丈夫か?
大丈夫だ、問題なーいっすよ!」


アニメのセリフだろうか。

刃くんならついていけるだろうそれは僕にとっては異世界の言葉です。


「ねーなんでシズちゃん呼ばなかったのー?」
『狩沢さん……静雄さんを呼ばないことがパーティー開催の条件だったんで仕方ないですよ』
「ちえー」
「凉梨ー」
『あ。師匠が呼んでるんで行きますね』


僕が近づくと師匠は壁の花を決め込んでいました。


『なにやってんですか師匠』
「人混みは入るより見る方が好きなの」
『だから友達いないんですよ』
「優しい弟子がいるからいいの」
『その弟子も観察対象のくせに何言ってるんですか師匠は』


見ると、師匠の皿には大トロしか乗っていませんでした。


『師匠ー。別の寿司は食べないんですか?』
「じゃあウニ」
『高級食材ばっか食べてると身体に悪いですよ。
こっちの野菜食べましょうよ』
「いやぁ俺は調理師の気持ちが見える料理が好きだから」
『だから?』
「……野菜って洗って切るだけじゃん」
『農家に謝れえええええええええ!!!』




あきゅろす。
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