【 人間万事塞翁が馬 】
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「すみませーん、遅れました?」
「疑問形で聞くなよ。100%遅れてるだろ」
すみませーん、と軽く返事をして、俺たちの席であろう、空いている席に座った。
(もちろん隣に大介も座らせた。委員長は割と寛容なようだった)
委員長からの話が始まる。が、俺の隣では大介は考え込んでいるようでかなり上の空だった。
(だから昨日気長にいこーぜーって言っといたのに。)
まあ彼はちょっと世の中とゆーか、人をナメテルところがあるんだろーな。
別に更生させよーって思っているわけじゃないんだけど。
(それにしても、ちょっとキツく言い過ぎてしまったかもしれない・・・)
俺はちょっと反省の意味をこめて、大介の分までしっかりと話を聞くことにした。(珍しいとか言うなよー)
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さすがは顔合わせ、自己紹介と簡単な連絡だけで、委員会は30分ほどで終了した。
・・・残念ながら、やはりなかなか仕事の多い、めんどくさそうな役職についてしまったようだ。
さて。
「大介ー?帰らないのか?先教室戻るぞ?」
「・・・ん」
「先戻って大丈夫なのかー?ちゃんと道わかる?」
「行く」
即答かよ。まあ行きも上の空で俺に腕を引かれるがままだったしな。
黙って歩く俺とその少し後をついてくる大介。
それにしても考え込みすぎだろうよ大介よ!!
人通りの少ない廊下の途中で、俺は仕方なく大介を振り返って言った。
「あのさ、大介。別にそんなに考え込まなくてもいいから」
そういえば大介はキョトンとした顔で俺を見返した。
「別に大介がどんなやつかとか別にどうでもいいし、からかおーってんで話かけたとしたって別にいいよ。
気にしてない。ただワタシはこんなだし、君が期待しているであろう反応はしてあげられないかな?」
大介は黙って俺の話に耳を傾けている。
「だから怒ってるとか、そういうわけじゃないんだ。
それにそりゃー級長に推したのは仕返しもあるんだけどさ。
ただ人をナメてかかると、痛い目見ちゃう時が来るかもね、って話ー」
そう言ってニヤリ、と笑えば、大介の体から少し力が抜けたようだった。
「・・・悪かったよ」
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