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【 人間万事塞翁が馬 】
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配られた大量のプリントたちと筆記用具以外は財布と携帯くらいしか入っていない、
ほとんど中身は空っぽな、でも真新しいカバンを持ち、遥香の教室に向かう。

まあ向かうとはいっても隣りの教室なんだけどね。

後ろのドア(言わずもがな高級仕様だ)のガラスになっている部分から教室を覗き込む。

遥香は窓際から2列目の一番後ろに座って(黒板見えてる?)真面目に教室の前方に目をやっていた。

教壇にはさらさらした黒髪の真面目そうな男の子と、よくいえば活発で利発そうな、
正直に述べるなら何とも気の強そうな女の子が話を進めているようだった。
・・・どうやらこのクラスの犠牲者はあの二人らしい。(級長と副級長的な意味でね!)

そしてニコニコとした初老の、少しくたびれたような格好をした担任らしき男が窓際に立っていた。

まだ終わりそうにないならと、ドアの前から離れようとしたちょうどその時に放課を告げるチャイムの音が鳴り響いた。
再び教室内に目を向けるとガタガタとかすかに椅子の音を響かせながらみんな立ち上がって号令をしようとしていたところだった。

関係ないがさすが氷帝、なかなかの防音効果だ。
(椅子を引く音って結構響くよね。いや、まったく聞こえなかったわけではないけど)

教室のドアが開かれ、廊下にもざわめきが広がる。
他のクラスも一斉に放課となったらしく、新入生たちが一斉に教室から飛び出し始めた。

俺はその流れに逆らって遥香の席の方に歩き出した。

「よー、終わったか?」

後ろから突然声をかけたからなのか、遥香の方が一瞬ビクリと跳ねた。

「あ、歩ちゃん!!」

振り返った遥香が俺の方を向いてそのまま抱きついてきた。
座っているので俺の腰に遥香が巻きついている状態である。

「こらこら。帰らないのか?」

えへへー、とフニャけた笑みを浮かべる遥香のふわふわの髪に手を入れながら俺は尋ねる。

「帰る!ちょ、ちょっと待ってね!!」

は!と我に返ったように慌てながらカバンに荷物を詰め込む遥香。
(なんでそんなに荷物多いんだよ・・・)

「あー焦らなくていいから。お前が焦るとかえって

(バサバサッ、ガシャン! 「きゃー!!」)

・・・かえって遅くなるんだよね」

はあ、とため息をつきながらばら撒かれたプリントやら筆箱の中身やらを拾おうとかがむと
他からも腕が伸びてきた。
少なからず驚いた俺は思わず顔を上げる。


「・・・ッ!!」

こ、れはこれは。なかなかやってくれるじゃあありませんか、遥香さんよ?


「大丈夫?はい、これも」

ニッコリと、そちらまで転がっていったのであろう消しゴムやらペンやらを差し出してきた少年は。


「あ!ありがとう!!ごめんね、鳳君ッ!!」





俺たちが元の世界で見慣れていた少年よりも小さく、そして幼い、

テニスの王子様の登場人物であり、
後の氷帝レギュラーとなるダブルスプレーヤー、鳳長太郎、だったのだった・・・


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(ちょ!なに普通になじんでんだーーーーー!!!)




[\(^0^)][(^0^)/]

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あきゅろす。
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