【 人間万事塞翁が馬 】
3
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教室に戻ると大介からの言及にあった。
なかなか細かいというか、意外とめんどくさい男だ。
(細かいことを気にする男はモテないぞ、大介。)(うるせぇ!ちゃんと答えろ!)(…お前の方がうるせーよ)
問いただされ色々吐かされる前に担任・和泉が入ってきたので、俺は大介にもう一度ニヤリとした笑顔を向け、前を向いて座りなおした。
後ろからじっとりとした視線を感じる。(父さん、妖気です!!)
和泉ちゃんもなんだかえらくニコニコしている。・・・いや、アレは笑ってねーぞ。特に目な。
思い当たる節がありすぎる俺はそっと目を逸らし、窓から外を眺めた。
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「えー、はい。北川歩と申しマス。入りたい部活は特になし。
趣味、等々も割愛致しまして。まあ適当によろしくしてくだサイ。」
ぺこりとやる気なしに軽く頭を下げて腰を下ろせばみんな戸惑ったようだったが、
しかしパラパラとまばらな拍手の音が響いた。
もちろん恒例の自己紹介タイムという奴だ。気がつけば俺の番、
名前、出身小学校、入りたい部活、趣味、特技などなど、色々話すべき項目は用意されていたが色々すっとばしておいた。
細かいことは気にするな!
人間関係、男も女も来るもの拒まず・去る者追わずが俺のモットー。
変に力を入れないのが俺の生き様さベイベー!
そんなことを考えていたらいつの間にやら自己紹介は全て終わっていた。
(ふむ、俺の特技に聞き流しが追加されたわけだな!)
・・・クラスメートの一人もまともに覚えちゃいないや。まあ地道に覚えていこう。
何とかなるさ!明日には明日の風が吹くんだぜ?
「あー今更かもしれんが俺はこのクラスを受け持つことになった担任の和泉だ。
和泉元(いずみはじめ)な。年はピチピチの28歳だ!!1年間元気に大人しく!いい子でいるよーに。
んじゃーまずは連絡事項から。良く聞いとけよー」
・・・なかなか矛盾しているようでいないようで、ツッコミどころが少なくなかったが
そこは新得技の右から左ですよっと。俗にそれはスルーと呼ばれているってね。
「おーい、聞いてるのかー北川ー」
気がつけばすぐ目の前に和泉ちゃんが立っていた。・・・相変わらず目が笑っていない。
「聞いてたか?」
ニッコリとイイ笑顔を向けられる。
「すみません、考え事をしていたもので」
そう言ってニッコリと笑い返せばハァ、と大きなため息をつかれた。(さすがに目の前では失礼じゃね?)
「・・・まあいーや。北川は今日はやらかしてくれたもんなー。ありゃーもー前代未聞だ」
何のことかは聞かない。俺は顔に笑顔を張り付けたままだ。
「その話は後でんみーっっっちりと、な。ところで北川。」
是非その"後で"という部分は回避したいものである。
「・・・何でしょう?」
「学級長はお前かな?(ニッコリ」
「・・・・・・」
・・・
ええええええ!!!!!!!!!!
どゆことおおお!!!!!?????
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