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【 人間万事塞翁が馬 】
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遊ぶように跳ねるふわふわの短い金の髪。女の子のような綺麗な顔。はっきりとした目鼻立ち。
隠されて今は見えない瞳の色。それを縁取る長いまつげが時折震える。

初日から、出会ってしまった・・・

今まで二次元でしか存在しなかった彼。
眠っているにもかかわらず圧倒的な存在を感じる。

いや、まあしばらく気付かなかったけどね!

どうする?と遥香に目配せするも、興奮している遥香の耳には届いてはいないようだ。

口はあらかじめ塞いでいたため騒ぐことはしていない、だが明らかに赤く染まっていた頬が彼女の興奮をありありと伝えてくる。

えーと。確か式が終わったら教室に帰ってHRがあるんだっけ・・・?

静かに興奮する遥香と膝で寝続ける芥川慈郎はこの際無視だ。
(だって話は聞いちゃいないし、もう片方に至っては目を覚ます気配すらない)

俺は再び自分の腕時計に目を落とす。

もうそろそろ式は終わりか・・・今更戻っても意味はないだろう。
じゃあ先に教室戻ってボーっとしててもいいかもな。

そんなことを考えながら、あることに気付く。

「・・・何か忘れているような・・・」

俺のつぶやきは二人には聞こえていないようだった。こんな至近距離にいるのにね!!不思議!!

はて、一体何だったかな?

・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・!

「あ゛。」

ヤバイ、忘れてた。

サー、と顔から血の気が引いていくのが分かる。

ようやく我に返った、といった様子の遥香が不思議そうにこちらを見た。

忘れてた・・・

「新入生代表の挨拶、すっぽかしちゃった。」

テヘ、なんて感じで笑って見せれば、遥香は大きな目を見開いた。

・・・あ、この顔は最大級のビックリ顔だな。

「ええええぇぇ〜〜〜!!」

驚きのあまり叫んだのは、俺じゃなくって遥香の方だった。

(ちょ、俺の方がビックリするから!!)


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