【 人間万事塞翁が馬 】 6 ******** 教室に帰ると待ち構えていた大介になんだったんだと聞かれた。 答えようと口を開いた瞬間、担任の和泉も話を始めてしまったのでこの質問に答えることはできなかったけれど。 俺は大介を振り返り、内緒、とだけ答えて前を向いた。 だってその方が楽しいじゃないか。 さて、場所は変わって大講堂。 いよいよ入学式が始まる。 報告しておこう! 結局俺のクラスには日吉も鳳も、ついでに樺地もいなかった。 俺の渾身の念が通じたらしい。それとも日ごろの行いか。 さて。 大講堂に入場すればやはり生徒数の多さに気付く。 新入生とその後ろには在校生たちもしっかり座っていた。保護者の数も少なくはなさそうだ。 入学式と言えば、新入生一人一人の名前が読み上げられるのかと思っていたのだが、そこはカットされるらしい。 その代わりなのか。 さすが金持ち校だけあってなのか理事長や校長の他に、来賓がたくさんやってきており、 彼らの似たようなどうでもいい長話を一々聞かされ続けることとなった。 (くそ!このための時間短縮だったのか!) 新入生といえどもみんなうんざりとしていた。在学生・保護者の皆様も然り。(見えないけど) 俺はと言えば、興味のない話はスルーだとばかりに目立たないように辺りを見回してみることにした。 天井高えー。広いなー。人多いー。 幼稚な感想しか出てこないのけれどそこは温かいお心でお許しを願いしたい。 ******** [\(^0^)][(^0^)/] |