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これはどういうことなのだろうか。
そして俺は今どんな顔で外を見下ろしているのだろうか。



「……」




深夜の12時頃。

俺の家の前に1人の人間が立っていた。しかも見覚えのある顔立ちをしているそいつに違和感を持つ。
黒いサングラスに白いマスク、今変態コスプレが流行っているのか知らないがとても怖い。

どのような目的で俺の家の目の前に立っているのだろう。

こういう時に限ってリボーンは寝ているし、お父さんは仕事で戻ってこないし、お母さんはランボとイーピンのお守りしているし。



ああ、すごく最悪だよ。



…うう。

早く朝になってくれないかな。
早く早くー。
今なら大嫌いな理科を勉強していたい気分だよ。


「あっそうだ。獄寺君に相談してみよう」


そう思い獄寺君に携帯をかけた。
するといきなり荒い息が耳の中に入ってくる。


「ハァ…ハァ…十代目ぇぇ…」
「ど、どうしたの獄寺君!?」


携帯の向こうから聞こえる荒い息。


「いえ、今鼻血が出ていましてすごく頭が痛いです…ハァハァ…」
「熱があるんじゃない?お大事に!」


なんとなく強制終了。
でもやっぱ獄寺君が心配になった。

とりあえず外にいる不審者に目を向けてみると、そいつも苦しそうにマスクに手を当てなにか震えていた。
…あれ?あいつ鼻血出てない?白いマスクに浮かび上がる赤い染み。


気持ち悪い。




次の日山本に昨日の出来事を言ったら、山本もさすがに顔を引きずらせていた。


「そいつツナのストーカーじゃないのか?」
「やっぱりそうなのかな。俺こういうの初めてだからさ…」


なんというか、すごく嫌な気分だよ。


今日もまたあの変な人が家の目の前に立っているんだろうと思うと、胸が痛くなる。

完璧に沈みきった俺の肩に山本の手が置かれた。



「大丈夫だってツナ!今日は俺もお前ん家に行くからさ。あと獄寺も呼んで……あれ?そーいや獄寺の姿が見当たらねーな」
「そう言えば獄寺君がいないね」


その時廊下の方から凄まじい足音が聞こえてきた。
ガラッ!


「十代目ー!!遅くなりました!!すみません」






するとそこには息切れをしながら教室の入り口に立っている獄寺の姿が。

どうしたの?と沢田が聞いてみると彼は笑みを浮かべながら、彼にあるものを渡してきた。


「ブザー?」
「はいそうっス。万が一十代目が危うくなったらそのブザーを鳴らして下さい!」


試しにブザーについている紐を引っ張ってみると、高い音がキンキン鳴り響いた。
これならストーカーも驚いて一目散に逃げていくだろう。

「さすがだな獄寺っ」
「へっ。オメーより俺の方が十代目の右腕にふさわしいからな!」
「ハハッ意味分からねーな」




その夜山本と、なぜか重たそうな鎧を装着したハルが沢田の家に泊まりに来た。
山本はともかくハルの姿を見た沢田が思わず叫んでしまった。彼女の存在と、いかにも触れたら骨折してしまいそうな鎧に。


「ゲッ…なんでハルが来てるの!?」
「たまたま行く場所が一緒だったのな」
「だからって…」

獄寺君も泊まりに来るから、この部屋に4人で寝るのは少々キツいんじゃ!?

「なんとかなるだろ」

山本〜なんかフォローになってないよ!


「ツナさん!ハルはツナさんと一緒に寝れるなんてすごくHappyです!」
「うん…そうだね」

まぁメインはそこじゃないけどね。
でも鎧はどこに置くの?と聞きたくなります。


「また獄寺のやつ遅くねーか?」
「はひっ。そういえばさっき、山本さんに出会う前に一度公園で獄寺さんを見つけました」


ハルが言うには獄寺君は公園でなにかバックの中をあさくっていたらしい。
そのときは遠くの方から見ていたから、はっきりは見えなかったとか。


「でもホント獄寺さんって変ですよねー」
「なんでなのハル?」
「いや、最近夜とかに見かけるんですよ」


最近の出来事なんですが…。


『あれー獄寺さん。そんなところでなにをしているんですか?』
『ば、馬鹿野郎…!!静かにしやがれアホ女!!』
『アホ女!?』

たまたまツナさんの家の前を通り掛かったとき、携帯を片手にうずくまる獄寺さんを見つけたのはいいのですが、相変わらず口が悪くて困りますっ!!

でもそんなことより、獄寺さんの態度が気になりました。


『獄寺さんーなんか鼻血出てませんか?』
『!?マジだ…』


鼻に手を押さえると、手のひら中に赤い血がついていました。



今思うと、なんで獄寺さんがツナさんの家の前にあたのかが疑問に思いました。

ハルが話し終えると今まで黙っていた沢田が口を開いた。

「あのさ俺思うんだけど、そのストーカーの正体って…」

バダバダバダ!
彼が犯人の名前を言おうとした矢先、突然階段を勢いよく掛け上がる音がしてきた。

そして。
ゆっくりとドアが開かれた。


一気に静かになる室内。


沢田は恐る恐る前を見ようとした瞬間、顔面に何かが飛び込んできた。


「ツナぁー!!リボーンが俺っちをいじめるよー!!」
「え、ランボ!?なんできた…」
「容赦しねぇぞこのアホ牛」

また顔面に何かが飛び込んできた。
今度はリボーンの蹴りだった。
沢田の顔面にリボーンの足がかなり食い込み、その衝撃で床に倒れ込む。


「はひっツナさんが!!」
「大丈夫かツナ?」
「なんでいっつも俺ばっか…」


改めて話に戻る。
今度はリボーンも仲間に入って会話を聞いている。
一方ランボはと言うと、リボーンの下敷きになっていた。

「なるほどな。獄寺がツナのストーカーをか」
「でもさ、まさかあの獄寺君がストーカーだなんて思えないんだ」

あくまでも獄寺君は獄寺君だ、と主張する。


「じゃあ獄寺本人に聞いてみればいいじゃねーか?」
そう言ったのは正統派山本。

「そうですね。獄寺さんに聞くのが一番手っ取り早いですよ。ね、ツナさん?」
「う、うん…」







あきゅろす。
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