1 暗くてじめじめしていて何も聞こえない空間。 ―お願いだから僕を虐めないで。 何でもするから…! 僕がいくらそう言ってもお父さんとお母さんは、1つも聞いてくれなかった。 毎日虐待される日々。そんな行為をされる意味が分からなかった。 いつからだろう、こんな風に僕のお父さんとお母さんが変わってしまったのは。 僕が悪い子だからこんなことをするの? 隣の家の女の子を泣かしたから?いつも1人で遊んでいたから?思い返しても別に悪いことはあまりしてない。 日に日に家庭は崩壊していった。傷付いていく僕の体。泣き声が絶えない1日。 もうそれが嫌で家にいる事さえ我慢できない日が続いた。 それから1年が経ったある日、突然お父さんとお母さんが家を出ていってしまった。 本当にそれは突然すぎて、僕は無言のまま自分に背を向け家を出て行く2人を見つめていた。 でもその頃の僕はまだ幼くてさすがに1人では生きてはいけないから、お父さんは前もって自分の友人に僕を引き取ってもらった。 これでやっと悪夢から解放される。 そう思うと凄く嬉しい。 この時の自分はとても悪い子に見える。 なんたって自分の親がいなくなったのを喜んでいるからだ。なんて冷酷なのだろう。 けれどそんなことを考えている余裕などなかった。 これからは、お父さんの友人と一緒に住むことになるのだから。 だが僕が思っていた以上の幸せな暮らしは、とんでもない方向へと展開されていくことになる。 次に目覚めた日のことであった。 目の前に繰り広がれる光景。 それはバッグの中に入れていた自分の服を漁られ、大好きだったクマのぬいぐるみもハサミで無残に切り裂かれていた。 一体なにが起こったのかが分からない。 でもよくよく考えてみると、この家はお父さんの友人しか住んでいない。 そうすると犯人は友人しかいないのだ。 『なんで…』 僕は勇気を振り絞って、このことをお父さんの友人に訴えた。 すると友人はニヤりと気持ち悪い笑みを浮かべ、答える代わりに僕を押し倒した。 それからは迫り来る魔の手に怯えているばかりの日々。 その友人は僕を発見すれば追いかけ、すぐさま体中を触りだす。 つまり、こいつは変態なのだ。 あの日も押し倒されたあと、散々舐め回された。 『いやぁッ…やめておじ、さん…』 『雲雀ちゃんはすごくいい子だから、おじさんの言う事をちゃんと聞けるよね?』 お父さんの友人こと、そのおじさんは毎晩僕の部屋に来ては寝込みの僕を襲い犯した。 まだ汚れを知らなかった僕は、一瞬にして何もかもを奪われてしまった。 痛みが激しくて何度も涙を流す。 シーツが新鮮な赤い血で染まり、どんどん汚れていった。 だから抵抗はしてみた。 ある時自分の舌を絡めてくるおじさんの舌を思いっきり噛んでみたら、大きな悲鳴をあげ僕から離れた。 おじさんは唇から赤い血を垂らしながら、物凄い形相な目で僕を睨む。 本当は心臓が破裂するくらい怖かった。 でも抵抗してよかったと思った。純粋に嫌だったから。 でも次の瞬間、僕の頬に拳が振り下ろされた。 [→] |