○
俺は今まで意地を張っていたんだ。
心配してくれる秀明に「大丈夫」だなんて事を言って‥。
本当は叫び出したくて、心が張り裂けそうなくらいにツラいのに…
自分の弱さを誰にも見せたくなかったし、何より謙人を信じ続けて居たかった。
それに‥秀明に心配を掛けさせたなかったという気持ちもあって、平気なフリをし続けていた。
「秀明、ありがと…、」
「…うん。」
「…秀明は、俺の助けになってるよ?‥こうやって俺なんかの為に泣いてくれるし…俺、秀明に心配掛けてばっかりで‥」
何だか訳が分からなくなってきた。
何を考えたらいいのか、何を話したらいいのか、どうしたら泣き止んでくれるのか…
泣き続ける秀明に俺も悲しくなってくる。
二人で
子供みたいにいっぱいいっぱい泣き続けた…
◇
「ごめん…な、何か、」
「ううん…、ありがと秀明。」
暫くして何とか涙がおさまった。
今は二人して、目を赤くさせながらズルズル鼻をすすっている。
すると不意に、秀明が居心地の悪そうな‥変な顔をしている事に気がつく。
どう表現したらいいのかな。
こう、何か…
やっぱり変な顔……?
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