「秀明…それで俺…」

「…‥うん、」

「……別れたんだ。」



謙人に別れを告げた次の日。

謙人と会わないように恐る恐る秀明の部屋へ行き、全てを打ち明ける事にした。

ツラくなったら言えよって…前にそう言ってくれた秀明に全てを話した。



「涼介は‥それで良かったのか?」

「…えっ……」

「奥野と別れて、それで涼介は幸せになれるのか?」



謙人と居たらツラいから離れた。

でもそれが幸せに繋がるのか…秀明に聞かれて頭が真っ白になる。

考えても考えても分からない。







幸せ?



幸せって何?



俺の幸せって…









なに?



「わ、かんない…」

「ご、ごめん…違う、こんな事言いたかった訳じゃなくて…」



混乱して泣きそうになる俺に秀明も焦るように、だけど泣きそうな声をしていた。



「話してくれて有難うな…ツラかったよな…涼介…ごめんっ‥、助けてやれなくて…ごめんなぁ…」



秀明は自分を責めるように何度も謝って、顔を両手で塞いだ。

その顔は涙で濡れていて、どんどん泣き声もヒドくなっていく…。

まるで自分の事のように悲しむ秀明にどうしていいか分からなくなった。



「ごめん…涼介、」

「謝らないで…秀明は泣かなくていいのに、何でっ…」

「だってっ…友達なのに…助けれなかったし…そんなに涼介が苦しんでるなんて全然知らなかったし…いつも一緒に居たのにな…傷も痛いだろ?…こんな酷い事されて…本当に、ごめん、」

「…秀明が謝る事じゃないよ。もういいから、」



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