好きな所は
「やだぁ!!私は絶対別れないからね!!!」
この時俺は、付き合っていた彼女と別れようとしていた。
だけど彼女は中々納得してくれない。
今の彼女に女の子の可愛さなんてまるでなくて、ヒステリックになる姿は俺の気分を害するだけだった。
「……なぁ、」
「…なに。」
「お前は…、俺のドコが好きなんだよ？」
前の彼女と別れた時にも言った台詞。
なぁ…、お前は俺の欲しいモノをくれる？
なぁ…、お前は俺の…
どこが好き？
「…全部。」
「…へぇ、そっか。俺の全部が好きならさ、浮気しても良い訳だよな。」
「何…言ってるの!!浮気なんてダメに決まってるでしょ!!!」
「じゃあ別れよう。」
「……や、やだ。」
「何で？」
「…好きだから。」
「どこが？」
「……。」
「はっきり言えよ。」
こうやって俺は試してるんだ。
俺の事を好きだと言う彼女の口から、どうしても『愛』を聞きたくて…ー
「………顔。だって大翔、カッコいいもん。だから別れたくない。」
そう言った女に俺は段落した。
コイツも今までの女と同じだと。
所詮は顔。
俺の中身なんて誰も見てくれない。
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