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デートしちゃった!





「お届けものでーす!」



グランコクマにトリップして一週間。ジェイドとガイの末恐ろしい鬼特訓……もとい、厳しい授業のおかげで他の人には怪しまれない程度の知識は手に入れた。オタクとしてオールドラントの文字は覚えていたけど、文法は?と問われたら、ホワッツ?とカタカナ英語で答えれる程度。なので必要な知識とかみっちりたたき込まれた。



「おお、お疲れさん。これも渡しておいてくれ」
「はーい」



ゼーゼマンさんにジェイドから預かった書類の束を手渡すと同じくらいの量の書類を渡される。難しくて内容はよくわかんないけど。



「慣れてきたのぅ」
「まだまだでーす」



ジェイドの親戚と言うことであたしは存在している。当然カーティスのではなくバルフォアのそのためにネフリーさんにまで協力を仰いでるだから色んな意味でパねぇぜ。



「それじゃあ、失礼しました!」



ビシッと敬礼して部屋を後にする。マジで雑用やってます。適当に理由を付けて雑用をやらせてもらってるんだから凄い。



「ヒカリ」



ふふふーん、と鼻歌を歌いながら来た道を戻っている声を掛けられた。



「お、ガイじゃん。今日もナイスイケメンだね」
「はははっ。ヒカリも今日も元気だな」



オフコース!あたしから元気を取ったら何も残らないぜぇ!と親指を立てたらまた笑われた。まあ、いいか。



「ジェイドの所に戻るのか?」
「うん。これ届けないと」



バサバサと十数枚はある書類を見せる。これでまだ少ないんだから仕事って大変。



「悪いがこれも届けてくれないか?」



このあと貴族院に戻らないといけないんだ。と言うガイ。いいよーとガイの持つ書類も受け取る。あ、結構重い。



「ヒカリ、午後は暇か?」
「デートならいつでも暇です!」



雨が降ろうと槍が降ろうと参上します!と言うと苦笑いされた。



「午後からブウサギたちの散歩に行くんだけど、ヒカリも来るかい?」
「行きます!是が非にも行かせてください!ブウサギデートめっちゃ萌っ!」



きゃほーい!とここが何処だか忘れてクルクル回るとさすがのガイも止めに入る。若干、手が震えていたのは見なかったことにしてあげよう。いずれは抱きつくつもりだけど。



「なら午後に宮殿前でな」
「ラジャー!」



ガイとデートの約束をしてジェイドの執務室に戻ったら凄く嫌な顔をされて、気持ち悪いとまで言われた……ちと酷くね?とりあえず午後別の用が入ったと言ったら、ジェイドは午後からは会議でいないとか。夕飯も勝手に食べて寝てなさい。帰ってこないのかな?大佐様は忙しいのねぇ〜と歌いながら宮殿前へと向かう。



「お・ま・た・せ!」
「うぉぉぉっ!?」



腰を落としてブウサギたちを撫でていたガイの背中に飛びついてみる。イベントでアニスが吹き飛ばされるとかあったけど、今日のガイは背中を反らして悲鳴を上げるだけであたしを投げるようなことはしなかった。投げられても困るけど。



「ふふふっ。成長したのね」
「お、驚かさないでくれ」



疲れ切ったような表情のガイからブウサギたちのリードを二つ奪う。初心者のあたしには二匹でも多いくらいだ……と思う。犬より大きいもん。てか、あたし犬飼ってないや。



「この子たちはどの子たち?」
「ん?ああ、小さいのはルークでそっちはサフィールだ」


で、俺の方が左からとブウサギたちの名前を教えてくれる。けどよく首輪を見ないとルーク以外わからん。いやネフリーはわかる。色々豪華だから。



「お、お、コラ!そんなに走る、っなー!」



何故だか段々とスピードアップする二匹。ルークはともかくサフィールは運動好きには思えんぞ。ぎゃぁぁーっ!と悲鳴を上げながら道を全力疾走すると二匹は急に止まった。急ブレーキを掛けられたらあたしは吹き飛ぶわけで。



「大丈夫か!」
「し、茂みがあって、助かったぁ」



なんて古典的なんだろうか。それでも助かったのは間違いない。どうやら二匹はここの草が好きらしい。ガイ……いつもコイツら制御してんだ。マジ尊敬。



「ネフリーのほうが大人しいからこっちにしろよ」



とサフィールとトレードしてくれた。ああ、ネフリーは優雅に歩くのね。今度はサフィールがジェイドに苛めれてる。ブウサギでも関係は変わんないんだ、面白い



「また誘ってね!」
「仰せとあらば」



と、笑い合った。





((デートしちゃった!))

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