黒檀みたいにまっくろな、きみの長い髪が好きだったのだ。
「ね、留さん
どうしてあんなに綺麗な髪を切ってしまおうと思ったの?」
「あ?
そりゃ、お前。」
僕らがもっとずっと幼かったとき。
僕はそうだな、今の乱太郎みたいに短いぼさぼさ髪で、とてもじゃないけど結えなかった。
逆に留さんは、背中まで伸びた綺麗な黒い髪を頭のてっぺんで結って垂らしていた。
「僕、留さんの長い髪が羨ましかったんだよ
だから、黒くなくてもいいから、てっぺんで長く垂らしてみたかった」
「そうか」
留さんはそっけ無かったけど、まあ、今髪が短いのが何故か教えて貰えたから、別にいいや。
黒檀の君
(そりゃ、お前。
お前みたいな短い髪になりたかったんだよ)
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けまいがすきです。