数馬が風邪を引いたとき
皮肉なことに僕も風邪を引いていて
お見舞いどころではなかった。
しかも運の悪いことに、僕の風邪の方が、数馬の風邪より酷くて、逆に見舞われてしまうという事態に陥ったので、情けなさでいっぱいになった。
「孫兵、大丈夫?」
「…だめ、死ぬ」
「風邪じゃ死なないよ」
「恥ずかしくて死ぬ」
「なんで?」
苦そうな薬を調合していた数馬が、僕を見て首を傾げた。
「だって好きな人に、弱ってる姿は見せたくないだろう?」
「ああ、確かにそうだね」
「僕は数馬の弱ってるとこ、見たかったけどな」
「ふふん、残念だったね…ごほっ」
僕が不満そうに言うと数馬は勝ち誇ったように笑みを浮かべたが、ひとつ咳払いをした。
「うつった?」
「…うそぉ」
「つくづく不運だな」
この後、僕の隣にもう一枚布団が敷かれることになる。
感染
「うう…最悪」
「僕は数馬が弱ってるとこ見られたからいいけど、ね」
「…なんか釈然としない…」
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お互い好きだって言っても「へえそう」な反応がこのCPの特徴だと主張したいです
淡白だけど本当はすごく好きですみたいなね
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