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そらばけ
階段は往復で200段近い


昼ご飯はよほどじゃない限りいつも同じところだ。
いつものところとは、屋上。もちろん屋外なわけで。屋根なんかあるわけもなく、雨が降ったら無理だし、夏のカンカン照りや冬の寒い日にはたまに断念することもあるが、たいていは屋上だ。
いや、環境もなかなかに嫌なものもあるが、何よりも…

「あきら、遅かったねー。いつもより2、3分ぐらい。」

「っ購買から、屋上までの!運動量、考えてから…物を言えっ!!」

そう。おさらいすると…
まず教室から階段まで。階段が廊下の中央にあるため、この時点で建物の横半分の距離だ。
次に3階から渡り廊下のある1階まで。ここで屋上にいけたらめちゃくちゃ楽なのは言うまでもない。
さらに渡り廊下から購買部のある棟へ入ってもあの人混みだ。相当な運動になる、はず。
そしてそれらの往復に加えて屋上だ。

「そういえば疲れていない人を見たことがありませんね。」

「むしろあたし達みたいに飛んだら解決するじゃん。」

「…………生身の人が飛べてたまるかっつの。」

「ん?あきちゃん、何か言った…?」

「いーえ、なんでも。」

小さく幽霊×2に毒づくものの、生きてる方の友人にも聞こえたらしく肩を竦めてみせる。別に声に出さなくてもあの2人には通じるんだけど…なーんか癖、みたいになっている。これ、直さないと絶対後々困るよね…。

「ってかあきちん。ずっとあたし達を2人まとめてるけど、そろそろ紹介してよ!名前とか名前とか名前とか!!」

「確かに。いつまでも幽霊とか幽霊×2は私も嫌です。」

あー…うっせうっせ。わかったわよぅ。
午後の授業始まったら紹介したげるから…今はとりあえずあたしの胃を満足させてよね。
ずっっと『待て。』なんだからっ!

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あきゅろす。
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