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そらばけ
小学生の時に流行ったよね


「あきらー!あとでいつものとこね!!」

「OKー!!」

教室から顔を覗かせた友人に、どこぞの携帯獣のアニメの主人公さながらの返事を返す。
教室を飛び出した時はあたしの他にも何名かいたものの、一人、また一人と力尽き脱落していった。ふと後ろを振り返れば、足を止め肩で息をする生徒達が点々と…が、それに構ってられるほど余裕もなく。廊下を全力疾走しながら、ただ一心に昼ご飯――――もとい購買部を目指した。
さっきも言ったけれど…あたし達の教室は3階にある。そして目指す購買部は、隣の棟の1階だ。ちなみに、渡り廊下は1階にしかない。

「思うんですけど…それ、渡り廊下じゃないですよね。」

「あー。渡り廊下って普通2階とかだよね!意味ないねぇ!!」

「っ…あんたら……いい気な、もんねぇ…っ?!」

滑らないように慎重にかつ素早く階段を降りていく。手すりの隙間から階下がちらっと見えたけど…既に同じ目的らしい人影がちらほら……。ぬぬぅ。急がねば。

「「だってお腹空かないし。」」

「さいで。」

二人の幽霊の言葉にげんなりする。まぁ、こんなの今更だけど…。
はぁ。とひとつため息をついた…つもり、だったけど、実際には荒い息になる。と、不意に購買のおばちゃんの元気な声が小さいながら聞こえ、悲鳴をあげる脚に鞭打ち人混みでごった返す棟に突入した。

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