[携帯モード] [URL送信]

そらばけ
最上階+廊下の一番奥=嫌がらせ


「あ。来た。」

「主語を言いなさい。主語を。」

「んー。あきちん。」

「ああ。そういわれてみれば…さっき、メールが鳴ってましたね。」



***



偶然にも今日は担任の事情で、点呼が遅れているらしい。

…なぁーんて、マンガのようなことはなく。現在、街中に引き続き、校内を全力疾走しております。はい。
あたしのクラスは何の嫌がらせか最上階となる3階の一番奥だ。階段も1段どころか2、3段すっ飛ばして駆け上がる。そのまま階段を登れば屋上へと続いてて、昼ご飯とか授業をサボる時にはよく遊びにいくのだ。が、今は行ってる場合なんかじゃない。
ラストスパート!
階段から教室まで全力で駆け抜け、勢い良く教室の扉を開け放つ。

「生島り――――」

「――――っ井黒あきら!いますっ!!」

「……………。」

「井黒あ、って……あ、れ?」

なぜか、静まり返る教室。
クラスメイトの顔は…んん?
後ろに感じる担任教師へ嫌々振り向けば……やっぱりなんか違う。

「井黒さん…あなたのクラスはもう一つ奥、よ…?」

苦笑い。むしろ笑いを堪えてる方が正しいかも知れない。
一瞬の沈黙の後、誰かが吹き出し、それにつられてクラスが笑い声に包まれる。

やっちまった。

「し、失礼しましたっ!」

「あらぁ…だから言ったじゃないですか。そっちじゃないって。」

「あきちん…必死に走ってたからそんなこと聞いてらんないと思うんだけど。」

後ろで何か聞こえた気がしたけど、華麗にスルーする。今度こそ自分のクラスに入ったものの、時既に遅し。あたしの次の出席番号の子が返事をしていた。

[*前へ][次へ#]

3/16ページ

[戻る]


あきゅろす。
無料HPエムペ!